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テレビを見守り機器として活用:親世代とのほどよい距離感“デジタル近居”サービス「ちかく」

公開日:2024.06.20
最終更新日:2024.06.25

在宅の介護で適切な見守り機器ってなかなかないですよね。

離れて暮らしている親が元気に暮らしているのか、気にならない人はいないと思います。

何度電話をしても出てくれなかったりすると、不安ですね。

かといって、こちらも仕事をしていたりをすると簡単に見に行くこともできません。

そんな不安をお持ちの方へ朗報です。

離れて住んでいる親の様子が不安な方にうってつけのサービスが登場しました。

  • 離れて暮らしている両親が無事でいるか気になる
  • 親の世代はITやスマホが苦手なので、見守りにデジタル機器が使えない
  • 両親がすぐに使える見守り機器がない

このようなお悩みをお持ちの方は、ご安心ください。

すぐにテレビで使える見守りの機器が登場しました。

親世代で、スマホは苦手でもテレビを操作できない人はまずいないでしょう。

テレビを見守り機器にする画期的なアイデア製品です。

今年の5月14日から全国のドコモショップで販売しています。

デジタル近居サービス「ちかく」とは

離れて住んでいる親が在室しているのかどうかが一目でわかり、そのまま話しかけができるサービスです。

大がかりな工事は一切不要で、Wi-Fiも設置工事も要りません。

小さな家型の端末とご家庭のテレビをHDMIケーブルでつなげて、電源コンセントに挿すだけです。

これだけで普段使っているテレビを、テレビ電話としてスマホとつないで会話することができるようになります。

接続イメージ

スマホアプリを使って親側のテレビ電話を呼びかけると、小さな家型の端末から着信音が鳴ります。

テレビの電源をオンにして、「ちかく」専用リモコンの決定ボタンを押すとテレビ電話に切り替わります。

親側がテレビを見ていた場合は、番組の途中でも決定ボタンを押すとテレビ電話に切り替わります。

受ける親側はリモコンの決定ボタンを押すという操作だけでテレビ電話が受けることができるようになります。

見守る側にとってのメリット

とにかくスマホ1つで、親が家に部屋にいるのかいないのか、在室確認ができるようになります。

あらかじめ設定しておいた時間を超えても起床してこない場合には、アプリに通知が届くという便利な機能もついています。

オプションではありますが、睡眠時間や在室履歴など、親の生活リズムの変化がわかる生活ログ機能も搭載しています。ただし、起床時刻、就寝時刻、睡眠時間、在室履歴はあくまでも推定値です。

在室確認ができたら、こちらからテレビ電話をかけて、親の様子や体調の具合などを自分の目で見て確認することができます。

顔色を直接見たり、様子を見るということは、やはり大きな安心感につながります。

またテレビ電話で繋がっている時に、スマホで撮った写真などを画面で共有することもできるようになります。

スマホの撮っておいた孫の写真を、テレビ電話で共有できるというのは楽しいですね。

見守られる親側にとってのメリット

アプリやスマホが使えなくても、普段使い慣れたテレビを使って、テレビ電話ができるというのが最大のメリットです。

視力の弱い高齢者にとって、スマホの画面は小さく見づらいものです。

テレビで大きく見えるというのは想像以上に便利です。

大画面で、まるで会っているかのように話せるのは、嬉しいことでしょう。

Wi-Fiやインターネット等の工事が一切いらないというのも高齢者にとっては非常にポイントが高いです。

また適度にプライバシーが保たれるというところも見守られる側にとってはありがたいことです。

見守られる親の側にだって自分のペースの生活というものがあります。電話に出たくない時もあるわけで、そういった時はリモコンボタンを押さなければいいだけです。

またセンサー等で24時間ずっと見守ってくれているという製品ではないため、始終監視されている感覚もありません。

利用料金

大変便利なこのデジタル近居サービス「ちかく」、料金面はいくらぐらいでしょうか。

小さな家形の端末の価格は、33,000円(税込)で、月額利用料金は1,980円になります。この月額利用料金でテレビ電話を180分利用できます。

アプリのサマリーに、今月どれくらいテレビ電話を使ったかは表示されます。

毎月1日に通話制限は解除されるので、使いすぎに注意してうまく利用しましょう。

180分を超えてしまっていた場合でも万一の緊急時には電話の通話をすることはできます。

親の実家がauやソフトバンクを使っている場合でも、問題なく使えます。

一例ですが、例えば親世代の家で、回線から電気代まで全てauでまとめていた場合、新たにドコモからサービスを購入するという位置付けになります。

auの割引の対象にはなりません。またドコモのDポイントの割引が効かなかったりということはあるかもしれません。

料金はじめ詳細な情報はこちらの専用サイトに載っています。

AmazonEchoとの違い

では、Amazonから販売しているAmazon Echoシリーズと、デジタル近居サービス「ちかく」は何が違うのでしょうか?

見守る側から呼びかけて、テレビ電話ができるというポイントについてはあまり違いがありません。

しかし親側の見守られる側の方から、テレビ電話を使う時の操作性については、慣れたテレビ電話のリモコンボタン1つで操作できるという方が、簡単な気がします。

Amazon Echoシリーズでも、操作に慣れればテレビ電話機能を使いこなしている人もおられますが、ボタンがない画面をタッチしていく操作ができなくて苦労されるご高齢者も多数おられます。

またAmazon Echoシリーズはインターネットで繋がっているので、何かのきっかけでネットが繋がらなくなった時の復旧を誰がするかも問題です。

半面Amazon Echoシリーズの方が便利なところもあります。

それはリモコンの決定ボタンをわざわざ押さなくてもテレビ会議をスタートできるところです。

見守る側の方がテレビ電話を始めたら、見守られる側は、自動的に画面が表示されるので、親側は本当にただ待っていればいいだけなのです。

またAmazon Echoシリーズは画面が小さく、置き場所を自由に選ぶことができます。どの部屋にも置けるという便利さがありますが、反面、テレビの大画面に比べると小さいのは否めません。

価格面を比べると、Amazon Echoシリーズの上位機種が3万円弱なので(2024年6月現在)端末の値段は、大きくは変わりません。

ですから月額の通話料をどう見るかと、Amazon Echoシリーズの使い方を教えたり、つながらなくなったときに様子を見る人が近くにいるかどうかは選択する上でのポイントになります。

一方のデジタル近居サービス「ちかく」は、テレビをそのままテレビ会議として使えて、親世代の方々にとって操作がしやすいというところが、一番の魅力です。

ただ、ご高齢の方の場合、リモコンを置き忘れという場合も多いので、見守る側の方が呼びかける回数が圧倒的に多い場合は、Amazon Echoシリーズの方が便利かもしれません。

サービス運営者

この「ちかく」というサービスは、インターネット環境やスマートフォンがない高齢者世代でもテレビで視聴できる「まごチャンネル」を開発・販売を提供しているITベンチャー株式会社チカクと株式会社NTTドコモが高齢者向けICTサービス開発の第一弾としてスタートしたものです。

「まごチャンネル」は、スマホで撮った子供の成長を実家のテレビに送れるというサービスで、2018年のoodDesignAwardを受賞しています。

「まごチャンネル」の延長に親の見守りがあると考えると納得がいくサービスです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

このように見てくると、このデジタル近居サービス「ちかく」は自分で室内を動くことができ、テレビのリモコンを操作できるかなり自立度の高い方向きのサービスだと思います。

各種のセンサーで親が倒れた状況などを見守ってくれるというわけではないですし、自分がすぐに行けない場合に、誰かが駆けつけて見に行ってくれるというサービスはついていません。

しかしご高齢であっても自立度の高い親世代の方で、単にスマホが使えない、ITはとても苦手という方にとっては、見守る側の子供達と「ゆるく」つながれる素晴らしいサービスだと思います。

もしご自分の周りで親の見守りでお困りの方がおられて、親後さんがスマホがまったく使えなくて困っている方がおられたら、うってつけのサービスだと思います。