多くの管理者の方が採用担当をされていると思います。
施設・在宅サービス事業所の採用担当としての実体験を元に、履歴書のミカタ、面接時の注意点についてお伝えいたします。
履歴書のミカタ
字のうまさより、丁寧さに注目
応募者の履歴書を拝見する際にまずは手書きの字の様子を確認します。
当初は見た目の字のうまさを重視していましたが、丸の囲み方が変形していたり記載事項に記入していない等の不備が目立ちました。
それ以後、いかに丁寧に記入しているのか?を注視することにしました。
履歴書を丁寧に記載記入している応募者の特徴として
- 入職に対する真摯な気持ちを感じる。
- 面接の際の質疑応答についてもしっかり答える
- 事前にこちら(事業所等)の情報をとらえている
書類選考のひとつとして丁寧さを重視します。
パソコン作成のミカタ
最近ではペーパーレス化の流れもありパソコンでの履歴書作成の応募者が増加しています。
手書きとの違いでは、応募者履歴書購入、事前提出の際の郵送料負担の軽減、作成後メールにてタイムリーな応募が可能になります。
パソコンでの履歴書作成のミカタとして
- パソコン操作スキルの判断材料
- フォントの大きさ、適正化 バランスによる読みやすさ
手書きと同様に読み手を意識した履歴書には高評価をしました。
添付写真には要注意
履歴書を確認する上で記載事項同様に応募者のイメージを確認する上で重要な添付写真。
おおむね、スピード写真館(コンビニ・スーパー等に設置している)、スタジオ写真館にて撮影された添付写真がほとんどです。
ただ、ここ近年の傾向としてスナップ写真の切り出し、数年間の写真、最近ではインスタ映えを意識した食事をしている写真を添付されていることが見受けられました。
パソコンにて作成された履歴書には写真データー添付がされていますが、加工された不自然な写真データが添付されていることがありますので注意深くご確認ください。
面接のポイント
基本はあいさつ
書類選考を終え、次に面接を行います。
面接を行う場所は業務を行う、事業所、施設にて実施されることが大半です。
私が面接を担当した時にいつも心がけていたことは応募者の雰囲気、声の大きさ、あいさつに重点を置きました。
- 適度な声の大きさ(会話時の距離感を意識しているか)
- 面接前に事業所、施設の見学をした際にご利用者、ご入居者、他のスタッフへあいさつがされているか。
特にあいさつについては利用者、他のスタッフへのあいさつの有無について確認しておりました。
採用後はチームの一員になりますので、職場の人間関係形成が出来るかを採用判断としていました。
友達口調への対応
お互いの自己紹介、数問の質問のやり取りにて、緊張感が緩和され、やや和やかな雰囲気になる場面があります。理想の面接場面です。
しかし応募者の口調がこれまで違い、急に友達口調(タメ語)での会話になる傾向があります。特に面接官より年上の応募者に見受けられます。
体制もありますが一次面接では採用担当者の以外に他のスタッフ(副施設長、相談員、サービス提供責任者、ケアマネ、主任)など第三者が同席することで良い緊張感のある採用面接が可能になります。
応答しにくい質問内容
面接も終盤に差しかかり、最後に応募者へ質問はありませんか?との問いに
- 給与面
- 休日
- 仕事の内容
などがこれまで最も多い質問の内容でした。
応募者側にとって待遇面が一番大切です。
面接官とすれば応募要項との相違なく、条件面を伝えることが責務になります。
その際の質問例
- いつになったら給与があがりますか?
- 業績により支給される具体的な金額はいくらですか?
- 退職金はいくらですか?
と現時点では答えにくい質問をされる応募者がおられます。
もちろん大切なことではありますが、入職・入社前に退職金の質問をしてくるなど理解に苦しむ質問内容もあります。
応募のきっかけ
中途採用者の面接で面接官として気になるのが応募のきっかけ、理由です。
標準的な応募の理由の例として
「前職は訪問介護事業でしたが、以前より有料老人ホームでの業務に興味が訪問介護にて学んだ事を活かしたく応募しました!」などの理由について一貫性があり有料老人ホームへの興味も感じられ、この職場で働きたい意欲を少なからず感じます。
しかし応募のきっかけは?の質問に対して近年の傾向として見受けられたケースでは「嫌いな人(スタッフ)ばかりなので辞めました!」「オープニングスタッフで楽そうだから」「給与面が前職よりいいから」などの理由はある意味本音ですが、採用側としては早期の離職リスクが考えられます。
給与面は確かに重要ですが、この職場で何をしたいのか?具体的な目標が見受けられない場合は採用候補から極力外していました。
オンライン面接
昨今のコロナウィルスにより、オンラインによる面接が増えています
オンラインによる面接メリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 双方のスケジュール調整がしやすい
- 面接の会場がいらない
- オンラインの普及化
逆にデメリットとしては、以下のようなものがあります。
- お互いの全体像、雰囲気がつかみにくい
- オンラインのツールになれていない
- 時間帯により通信状態が不安定になる
まとめ
上記に記載しました内容はあくまでも実体験に基づいたものです。地域性、事業規模、業務内容などの諸条件により変化することがあります。これ以上に様々なポイント、ミカタがあると思います。採用側としての臨機応変さ、柔軟さ、職場全体での採用担当者としての自覚が大切になると思います。
参考:長く働いてくれる介護士を見抜く面接術