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脳梗塞でリハビリで150日ルール。高齢者の在宅リハビリに最適な足こぎ車いすのご紹介

公開日:2024.02.28
最終更新日:2024.03.09

リハビリ150日期間超えという言葉をご存知でしょうか。

病気やケガをして病院でリハビリテーションを受ける場合、入院・外来に関わらず実施できる期限が設けられています。これは病院ごとの独自のものではなく、国で定められた決まりです。

脳梗塞や脊髄損傷などの場合は、診断を受けた日から数えて180日、転倒による骨折などのケガやなども含む整形外科的な疾患の場合は、期限は150日です。

では、転倒してしまって骨折をしてリハビリを続けたが、150日という期間を超えてしまった場合どうすればいいのか。

転倒による怪我や脳梗塞などでリハビリを続けているが、退院後どうすれば良いかわからないというご家族や患者の方に向けて、自宅でのリハビリに最適な車椅子をご紹介したく、この記事を書いています。

あまり知られていませんが、この車椅子で自立して生活をしておられる方は数多くいます。

怪我で脳を損傷し片麻痺が残った方がこの車椅子でリハビリを自主的にトレーニングし必死のリハビリの末に歩けるようにまでなったという例もあります。

この車椅子は介護保険認定がおりていますので、使う気になればすぐに利用することができます。

この記事では現在の医療保険介護保険に適用される訪問リハビリという制度の説明と、リハビリに最適な車椅子がどのように役に立つのかの詳しくご紹介します。

そしてこの車椅子がなぜあまり知られていないのか、実際に試してみたい人向けに注意すべき情報などもお伝えしたいと思います。

医療保険、介護保険による2種類の訪問リハビリ

病気やケガ等でリハビリテーションを受ける場合、入院・外来に関わらず実施できる期限が決まっている、という話を致しました。

これは「標準的算定日数」といい医療保険で決まっています。

入院・治療からリハビリ専門病院までの150日

通常脳梗塞や怪我などで入院して手術に至った場合、術後、緊急治療の段階を終えた急性期を脱した患者さんは、回復期になったら転院してリハビリ専門の病院に転院することができます。

脳梗塞で倒れた義理母の例ですが、リハビリ専門病院は非常に手厚く、午前中にリハビリ、昼食を挟んで午後にリハビリというかなりハードなスケジュールでした。

その甲斐もあってリハビリ病院に転院した当初は寝たきりで自分で座位を保持することさえできなかった彼女が、3カ月後には自分で車椅子に座っていることができるまで回復しました。

ここで、診断を受けた日から数えて150日というところがポイントになります。

高齢者の場合1ヶ月もしくは2ヶ月は急性期で、リハビリ専門病院に転院できるまで治療のために時間を要します。つまり30日~60日ぐらいは過ぎてしまっています。

ですから、リハビリ専門病院で集中してリハビリを受けることができる期間は、人によりますが、残りの120日から90日ぐらいです。つまり3~4ヶ月経ったらリハビリの専門病院を出なくてはなりません。

自宅に戻って自立できるか、自立が難しければ介護施設などに移るかという判断をしなくてはならなくなります。

そして、150日もしくは180日という期間が過ぎた後は、集中して運動機能を回復させたいと思っても利用できる公的なサービスは残念ながら限られてきます。

自宅に戻った後のリハビリ

リハビリの効果があって自宅に戻れたとします。立って自立して歩いて戻れるならば問題はありません。

しかし自立歩行が難しくなる場合は、車椅子での移動になります。

そのような場合、自宅に戻ったら何にもリハビリがなくなってしまうのかと言うとそうではありません。

病気の治療や症状の回復が目的ならば、医療保険でリハビリを受けることができます。

ただし、医療保険で受けることのできるリハビリは、看護師の訪問と合わせて週3回までとされ、1回30分から90分未満です。実際のサービスは地域の医療期間、病院によって異なります。

これに対し、状態の改善がこれ以上は期待できないと医学的に判断された場合は、介護保険でのリハビリになります。

介護保険ではリハビリは、ケアマネージャーが作成するケアプランの中に組み込まれます。

介護認定によって利用限度額が異なってきますので、その中で利用できるリハビリのサービスや回数が設定されます。ですから実際に利用できるサービスは地域のデイサービス、介護事業所によって異なります。

そして、ここが理解に苦しむところでもありますが、原則リハビリで医療保険と介護保険の併用はできないことになっています。

主治医の判断があって医療保険でリハビリを続けられたとしても、週に3回まで1回せいぜい1時間程度です。

リハビリ専門病院ではほぼ毎日リハビリを定期的に続けてこれたわけですから、自宅に戻るとリハビリの時間が激減することは想像がつくと思います。

自宅に戻った後、どうやって自主的にリハビリをすればいいのでしょうか。

リハビリ中心のデイサービスを探す

前項で述べたとおり、リハビリには医療保険のものと、介護保険のものがあります。

介護認定をなるべく早く取り、介護保険で受けられる機能訓練を探すのがまず大前提です。

歩行訓練や機能訓練をやってくれるリハビリを中心としたデイサービスはあります。

ただこれも地域によって実情が違います。ですから地域のデイサービスの情報を集めることがまず最優先です。良いリハビリのデイサービスがあれば、それはとても幸運です。

ただし、丁寧で親切な機能訓練をやってくれるデイサービスがあったとしても介護保険認定で決められた範囲内でのみ、サービスが受けられるということには変わりありません。

リハビリ病院と同じように、1日に2回リハビリのデイサービスを受けるというのは、制度的に認めている地域は少ないようです。

つまり認定にもよりますが、介護保険をフル活用したとしても、自宅に戻った場合はどうしてもリハビリの回数や頻度は、リハビリ専門病院にいたときよりは減ってしまいます。

自宅でリハビリを自主的に継続したい場合はどうすればよいでしょうか。

自宅でのリハビリや自主トレーニングに最適な車椅子がある

デイサービスや訪問介護以外の時間、自宅でリハビリを自主的に行うにはどうすればよいでのしょうか。

それは車椅子での「足こぎ」です。昔から勧められていた方法です。

足の筋肉は使わないと、当然筋肉は衰えてしまいます。また、水分を心臓に返すポンプの力が弱まることで下肢に水が溜まってしまいます。足がむくむと重だるさや痛み、感覚の鈍麻などがおこります。

このような悪循環を防ぐために、車椅子のフットレスト(赤い丸で囲われた部分)を外して、車椅子に座って脚で歩くようにして自分で動かすようにしてもらうのです。

しかし、もっとリハビリに適した車椅子があります。それが足漕ぎ車いすCOGYです

 

 

「あきらめない人の車いす」というキャッチコピーのとおり、いつかは自力歩行がしたいという前向きな方に乗っていただく車いすです。

ただの移動手段の車イスとは異なり、これは、乗った瞬間に「また足が動かせる!」と実感できます。

COGYは、どちらかの足が少しでも動かせれば、両足で漕ぐことができます。

片法の足でペダルを漕ぐことで、歩行中枢を刺激、麻痺していた方の足も反射的に動かせるという理屈です。リハビリする方の能力の可能性をサポートする足こぎ車いすです。

車椅子を押してもらう家族の介助なしに、自分一人で外出したい、行動範囲を広げたいという意欲を持った人に乗っていただく車いすです。ご利用者様自身の意思で、自由に動ける楽しさにつながり、生活の質の向上が期待出来ます。

足漕ぎ車いすCOGYをお薦めする理由は以下の通りです。

脳梗塞・リハビリにおける実績

この車椅子を使って多くの人が自立した生活を送っています。

自宅で使えば、室内で移動する間も足こぎできるので、起きている間ずっとリハビリができます。

脳梗塞後左半身不随になり、リハビリ中にCOGYに出会いすぐに購入し1年半で一人で外出ができるようになった男性もいます。自宅は埼玉ですが、電車バスを乗り継ぎ、逗子のリビエラまで日帰り小旅行を楽しんでおられます。

右半身麻痺で20年も電動カートを使っていた方が、COGYに変えて行動範囲が広がって変わったという方もおられます。

電動カートだと電池が切れたら動けなくなるので、行動範囲が自宅から2~4km程度までに狭まってしまいます。しかしCOGYは電池がなく、しかも電車バスに乗れるので、どこへでも行けるようになった、と大満足です。

長い間寝たきりだった方が、COGYを使い始め、自分で足を動かすようになって寝たきりが解消されたという事例もあります。

病院・施設などで歩行困難な方のリハビリ機器として既に利用もされています。

東北大学発の発明品

このCOGYという足こぎ車いすは1998年から歩行困難者を補助する研究をしていた東北大学医学部の半田康延教授(当時)の発明品です。

半田教授は元々「運動機能再建学分野」の研究を行っていました。

障害を抱えた人にといって、座って足を動かすのが転倒の心配もなく安全だとわかり、車いすにペダルをつけて漕ぐことを思いつきました。

「ニューロモジュレーション理論」と言い、電気の刺激によって麻痺した足を動かして車いすを漕ぐという試作機をつくりました。

ある日、半田教授は、患者さんが電気刺激のスイッチを入れない状態で、足こぎ車いすのペダルをスイスイ漕いでいるのを目撃します。これが次の研究ステップにつながります。

「原始的歩行中枢を刺激し、電気信号なしで人間の「反射」反応を刺激して、足が動く仕組みを発見しました。これが現在のCOGYの原型になっています。

しかし、開発当初の初号機は重量が80Kgもあり、生産コストも高く市場に出せるものではありませんでした。

しかし当時、小学校の先生をしていた現在のTESSの鈴木社長が製品に惚れ込み、この製品を世に出したいという思いで、2008年に会社を設立。80kgあったものを14kgまで軽量化し、苦労の末に製品化した製品を2009年に販売をスタートしました。

商品名は、開発者である半田教授への敬意を表し、プロフェッサーハンダから、プロファンドと名付けました。

その後も機能・デザイン性を高め、2016年、名称をGOGYにリニューアルしました。

GOGYはその後2014年2月日本ベンチャーアワードで経済産業大臣賞受賞、2016年11月には日本グッドデザイン賞ベスト100金賞受賞しています。

福祉用具の世界での知名度は意外に低い

この製品は実績もあり、大学初ベンチャーの走りのようなところもあってテレビでは何度も報道されています。

しかし、そんな素晴らしい製品が、なぜあまり世の中に知られていないのでしょうか。

1つめは単純に思いつかないというだけです。

介護、福祉系の専門訓練を受けている人は、脚が自由に動かせない方へのケアを中心に学んでいます。

機能訓練が終わっても、脚の機能が回復しなかったから車椅子に乗っている。
車椅子=脚が動かないという固定観念が出来上がってしまっています。

足の力が少しでも残っていれば、自分で足こぎができるなんて、想像もしません。

片麻痺の人でも、車椅子を足で漕げるとということを想像できないだけなのです。

2つは介護福祉機器の情報流通に要因があります。

介護福祉機器のレンタル・販売の事業は、各市区町村の所轄事業です。

介護福祉の新しい製品については、メーカーが勉強会などをして普及を図っていますが、47都道府県全てで福祉機器の勉強会をやらなければ、その地域の介護福祉機器のレンタル・販売事業所に情報を伝えることができません。

まして、介護福祉機器のレンタル・販売事業所と連携して動く一人一人のケアマネージャーの方にまで情報を伝えることができていません。

3つめは福祉機器のメンテナンスです。自転車のチェーンと同じような仕組みで動くので、メンテの頻度が高くなり、販売する方からすれば手間がかかり面倒な製品です。

福祉用具のレンタル・販売の現場から見れば、新しくて手のかかる製品はあまり扱いたくないというのが正直なところなのだと思います。

このような事情が重なり、利用者自身に情報がなかなか伝わりません。

これは介護保険対象製品ですので、ケアマネージャーさんを説得しなくとも、利用者自身が試してみたいと言えば、もちろん利用可能です。

しかし介護保険利用者本人がを使いたいと言ったら、ケアマネージャーに反対されて使えなかったという話さえ聞きます。

COGYを試してみるには?

ではリハビリのために足漕ぎ車椅子COGYを試してみるにはどうすればいいのでしょうか。

ここでは、この足漕ぎ車椅子COGYを利用する方法についてご説明します。

レンタル

介護保険対象ですからもちろんレンタルも可能です。しかしレンタルをお願いするにしてもやはりどちらの代理店からレンタルするのかというところがネックになります。

メンテナンスが大事になってきますのでやはり正規の代理店ネットワークを通したいところです。介護保険申請しているのであれば、ケアマネージャーさん経由で手配してもらうのも大丈夫です。

しかし介護保険の点数をどのように使うかというのはケアマネージャーさんの采配によります。ケアプランを組み直さなくてはならなくなるので、新たな製品のレンタルに介護保険の点数を割り当ててくれるかどうかはケアマネージャーさん次第です。

介護保険を使わないレンティオというサブスクもあります。1日単位での短期レンタルから、1カ月単位でのCogyを貸し出してくれます。ただ、機器の貸し出しだけですので、正しい使い方、乗り方、注意点などをどこまで教えてくれるかはわかりません。

購入

運動器具として介護保険以外で、自費で購入することも可能です。

Amazonでクリック一つで買うことができます。

Amazon|あしこぎ車いすCOGY(コギー)”未来を拓く”(赤,SS)|ノーブランド品|自走用車いす

ビックカメラのホームページからも購入が可能です。

しかしご覧の通り結構な価格です。

車椅子というのは数万円で購入できるものから電動高機能で動くものまでかなりバリエーションがあります。

介護保険レンタルでは月に数百円ですが、介護施設などで使われている高機能なものは元々価格が高く、20万円以上はするものも普通にあります。

この値段を気軽にクリック1つで買う人は少ないと思います。

試乗してみたいと思う方のために、試乗ができるメーカー代理店の一覧はこちらです。

お近くに代理店がない場合は、こちらからお問い合わせください。

製品の社会的意義を感じて自主的に代理店になったネットワークがあります。そのチームをご紹介できます。日程調整してCOGYを自宅までお届けします。試乗も可能です。

分割購入

ケアプランを組み直すのも面倒、しかし一括購入に踏み切るのはちょっと怖いという場合、分割払いは可能です。これも取り扱っている代理店にもよります。

先ほど購入でご紹介したビックカメラでは11回まで分割購入は可能です。また、Aamzonでは、カードで購入後に支払い回数を変更することは可能です。(2024年2月現在)

中古品

オークションサイト等で中古品を見かけることがありますが、正しい乗り方、注意点などをどこまで教えてくれるかはわかりません。もし購入する機会があれば、製品保証とメンテナンスについては十分に注意して購入することをお薦めします。

まとめ

入院後の150日ルールと急性期から回復期のリハビリについて、医療保険と介護保険でできるリハビリの範囲はどこまでかということと、リハビリに最適な車椅子があるということをご紹介してきました。

私自身、遠距離介護を経験していますが、当時この製品を知っていたら、これを勧めたと思います。転倒リスクがなく、脚力が鍛えられるからです。(本人がこれを使ったかは、今となってはわかりませんが)

ITを使ったツールではないですが、実際にこれだけ実績のある車いすなのですから、もっと普及してしかるべきだと思います。

寝たきりだった高齢者が、車いすに座って自立できるまでになったという実績もあるこの車いすCOGYは、自立支援に役立つだけでなく、介護の重度化を防止でき、介護保険全体の負担を減らす救世主になる可能性を秘めています。

メーカーは今も改良を続けています。また海外へも展開しています。

今後ともこのような高齢者の自立に役立つ介護機器の最新の情報をご案内していきたいと思います。ご興味ある方はこちらからご登録をお願い致します。