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非接触型見守りデバイス「POM」:これまでの見守り機器との違い

公開日:2023.08.19
最終更新日:2023.08.21

遠くで離れて住んでいる両親の見守りに良いツールがないか、探している方には朗報です。

高齢者の見守りで良い見守り機器というのはなかなかないですよね。あっても取り付けに費用がかかったり、契約に時間がかかったりします。

良さそうな製品が開発されましたので、ご紹介します。

非接触型の寝室見守りデバイス「POM」(ポム)です。

この製品がユニークなのは、製品の特徴もさることながら、販売方法にも特徴があります。

寝室見守りデバイス「POM」(ポム)が従来型の見守り機器や人感センサーと何が違うのか、特徴や販売方法などの違いについて詳しくご説明したいと思います。

 

ミリ波レーダーで睡眠や心拍数をモニタリング 寝室見守りデバイス「ポム」

米国サンフランシスコのITベンチャーTellusが、世界に先駆けて日本で展開することとなった非接触型の寝室見守りデバイス「POM」(ポム)です。
特徴は以下の4つです。

・非接触型なので設置・運用が簡単
・見られていることを意識させない
・ミリ波レーダーで寝ている人の睡眠習慣や呼吸数、心拍数までもモニタリング
・データの蓄積から、専用アプリで変化に気づくことができる

ミリ波レーダーは、今では自動車の自動運転に欠かせない技術になっています。このミリ波レーダーは離れたところからも高感度計測が可能です。計測したデータを、ノイズを抑制しながら、生体情報(心拍信号、呼吸)だけを独自のアルゴリズムで抽出することが、この製品の技術的に凄いところらしいです。

ただ、この技術がTellus独自のものかというと、そうではなさそうです。ミリ波レーダーで寝ている人の睡眠習慣や呼吸数、心拍数までもモニタリングできる製品は、過去にいくつか出ています。

介護施設や保育施設を見守るミリ波レーダー、79GHz帯化で10分の1サイズに
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フィンガルリンク、動体検知に優れるミリ波レーダーを応用した 遠隔管理/監視が可能な『ミリ波レーダーIoT生体情報システム』を 1月10日(火)より販売開始  =遠隔で独居高齢者や施設居住者を 少人数でも“見守る”IoTの切り札

中国にもやはり似たような製品がありました。

では、これらの製品と何が異なるのか、というと
・モニタリングできるのは1人だけ
・小型化に成功
・価格を公開
という3点です。

日本の他の製品は2人以上の人間のモニタリングができますが、価格は非公開です。家電ではなく、施設が使うシステムとして販売することを想定していると思います。

独居の高齢者の見守りに販売対象者を絞り込んで、家電と同じように誰でも購入できるようにしようとしています。市場調査兼ねてマクアケでのクラウドファンディングをしていますが、余裕で目標額達成です。
 

 

 

従来の在宅向けの見守り機器との違い

さて、遠くで暮らす独居の高齢者を見守りたいという要望に応え、既に様々な製品が市場で販売されています。

寝室見守りデバイス「POM」は、これまでの見守り製品とは何が違うのでしょうか?

メリット・デメリットを簡単に表にまとめてみました。

製品 メリット デメリット
人感センサータイプ ・警備会社販売のものはセンサーで検知した後に、人が駆けつけてくれるという安心感がある ・人だけでなく、猫や動物にも反応する。
・部屋の調査から始まり、電源工事等取付が大変。
・契約にも時間がかかる
・データは警備会社が利用する目的であり、スマホ等では確認できない
カメラタイプ
(モニター)
・こちらの都合のよい時間にモニターすることができる
・双方向型であれば、相手との会話を楽しむことができる
・設置は簡単
・家電量販店でも販売
・相手のプライバシーの問題
・夜間にも見える製品もあるが、十分ではない
・カメラでの目視なので、死活確認という意味では限界はある
通報ボタン型 ・異常が起きたことを確実に、救護に向かう人に連絡できる ・夜間、転倒や発作等の緊急時に通報ボタンを押せない高齢者は多い。
ミリ波レーダー型 ・夜間の寝室でも、異常が起きたことを確実に、通知先に連絡できる
・猫や動物がいても、誤検知が少ない
・設置は簡単
・データをスマホで確認できる
・緊急時に、相手と会話したり話しかけることはできない。

なお、検知できる範囲というのも一つのポイントです。

緊急ボタンは、寝室に置いてあれば、役立つかもしれませんが、浴室やトイレで倒れた場合、異常が起きても何の役にも立ちません。

カメラは、カメラが設置された部屋では役立ちますが、カメラの視界以外では見守りができません。

人感センサーはある程度広い範囲で、センサーが届く範囲であれば検知をすることができます。しかし、これも完璧というわけではありません。

POMのミリ波レーダーは寝室での設置を想定していますが、寝室以外の部屋に置いて動作するのかというところも確認してみたいところです。

このように、どの見守り検知ツールも一長一短があり、自宅のどこにいても異常が検知できるという仕組みを作るのは案外難しいです。

しかし、夜間睡眠中で、異常が発生しても高齢者が通報しにくい寝室に特化して異常を検知をするためのツールとしては、ミリ波レーダーを使ったものは合理的な仕組みかもしれません。

起きている間は別のツールを組み合わせて使えばいいと思います。

 

まとめ

以上、ミリ波レーダー「POM」の特長と、これまでの見守り機器との大雑把な比較を調べてみました。

大変残念なのは、日本ではミリ波レーダーを使った技術的な要素は既にあったのに、一般の市場に投入されたのはアメリカのベンチャーの方が早かったという事実です。

複数の人間の検知ができること、というように技術的ハードルを上げてしまったために、開発のコストや時間がかかってしまいました。

その点、アメリカのベンチャーは、独居の高齢者であれば1人だけ見守りできれば十分であるという割り切りと、市場の大きさにターゲットを絞り、製品を小型化してどこにでも置けるという点を製品の強みにしています。

このような見守り機器はどんどん良くなっていくと思いますが、せっかく基礎技術があるのですから、日本のメーカーももっと頑張って欲しいと思います。

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