皆さんが管理者になられて、施設を統括する立場になった時に思うことは、
何からとりかかればいいのだろうか!
これを読んでいる管理者になったあなたも、今まさにそんなことを考えておられるかもしれません。
管理職になれば、スタッフとのコミュニケーション・業務のオペレーション見直し・コンプライアンスの徹底等々手をつけるところを考えればきりがないと思います。
しかし受け持った施設を管理者であるあなたを中心に今まで以上により強固な、結束力が強く、施設の理念に共感してくれる仲間と共に良い施設にしていくには、施設の目標と、そこにたどり着ける道標(ガイドライン)が必要です。
施設の目標と、そこにたどり着くまでの道標を示すものが事業計画書です。
管理者であるあなたが、事業計画を書類という形落としこみ、施設に関わる関係者全員に伝えていく必要があります。
これこそが管理者となった時の最初の仕事であり、且つ最も重要な仕事であると私は思っています。事業計画書はまさに施設のバイブルといっても過言ではありません。
とはいっても、
作ったことないし実際どうやって作っていいのかわからない
どんなこと書いたらいいの?
作ってもスタッフから中身を批判されるのでは…
等々たくさんの心配や不安はでてくると思います。
そこで、ここでは皆さんの不安を解消しつつ、かつ効果的な事業計画の作り方を考えていきましょう。
事業計画を作ってみよう! 目次
- 事業計画書とは?
- 事業計画書の作り方
- どんな内容を記載すればいい?
- 記載していく順序はあったりするのですか?
- 事業計画書を関係者全員に見てもらう
- 事業計画書を再確認してみる。偏った計画になっていませんか?
- 関係者全員に納得いく事業計画書にしていくには
- まとめ
1.事業計画書とは?
そもそも事業計画書とは、一体どんな書類なのでしょうか?
事業計画書とは、
施設が向かうべき方向性を定めたもの
そして
その方向性に向かって管理者自身が起こす行動を示す
書類と言えると思います。
2.事業計画書の作り方
では、①をもとにどうやって作成していくのか、一緒に考えていきましょう!
1.どんな内容を記載すればいい?
まずは、施設が向かうべき方向性から記載の内容を考えていきたいと思います。
まず考えられるのは、施設を運営している事業者には必ず「理念」というものがあると思います。そこで働く管理者の方もその理念に共感し、その理念に則って仕事をしてきたはずです。従って私が事業計画書を作成するにあたり、最初のページに掲載するのは、
その事業者(施設)の理念
を最初に掲載し、どのような背景があってその理念が出来上がったのかを記載します。
これは冒頭にも記載した、「施設に関わる関係者全員に伝えていく」事業計画書ですから、事業者や施設がどういった理念のもとに存在しているのか、事業所や施設の在り方を全員に知ってもらう必要であり、且つこの事業計画書こそが私たちの理念を関係者や取引先全員に伝えていける唯一無二の書類であると考えているからです。そしてその理念を構築していくためにはどうするかを記載していくことが重要かと思います。
- 施設の基本的方針(ここに方向性を盛り込む)
- 前期の反省、課題
- 前期の反省・課題を克服するためには
- 施設の事業計画(ここに施設がかなえるべき目標を盛り込む)
- 組織体制
- 年次計画書(施設年間行事予定や年間研修計画等)
- 収支計画書(短期・中期・後期それぞれの収支)
- まとめ(所感等)
といった内容は最低限記載しておくのがよいかと思います。
2.記載していく順序はあったりするのですか?
やはり最初は、施設や事業所の理念を記載して、説明する部分を1番に記載することがよいかと思います。また前期の反省や課題も前半で記載したほうが良いと思います。その上で収支を記載してから、その収支の根拠となる事項を順に記載しても良いし、理念を記載し行動指針をしっかり記載・説明したのちにそれを踏まえた組織体制やイベント、それを成功させたときに計上できる収支を記載していくことでも良いです。作成しやすい順序、また全員に理解しやすい順序を考え作成することがよいでしょう。
3.事業計画書を関係者全員に見てもらう
事業計画書はとにかく関係各所、社長を始め身内の社員は当然のこと、取引先や入居者様のご家族等すべての方に目を通してもらい、施設の向かうべき方向や目標を理解してもらうと同時に、安定して経営できる計画を収支報告という形で短期・中期・長期と作成し見てもらい、評価していただく事が大事です。
3.事業計画書を再確認。偏った計画になっていませんか?
管理者の思いが強ければ強いほど、理念や目標に対しての説明ばかりになってしまい、肝心の収支や計画の内容が乏しいといった事例が散見されることが多いです。気持ちはよ~くわかりますが、計画書を見る側としては「結果どのくらいの収益になるのか」「黒字経営はできるのか」といったところに重点を置く方がほとんどだと思います。
なので、できあがった計画書は自分自身でしっかりとチェックし、収支に対しての根拠や説明が十分に記載されているかを確認していく必要があります。または一度副施設長や介護現場の責任者に目通ししてもらうというのも良い方法ではないかと考えます。
4.関係者全員に納得いく事業計画書にしていくには
納得のいく事業計画書にしていくには、
・今後の運営において明るい将来設計がなされているかどうか
・どのように運営していくことで収支が黒字化されていくかどうか
・運営計画とそれに準じた収支の見通しの整合性が取れた内容になっているかどうか
・計画書の内容が詳細に記載されているかどうか
が重要なポイントになってくるかと思います。実行に無理があるような計画ではダメですし、計画をしっかり作成していても、収支が早期に黒字化できていなければその計画も一度見直す必要はあるかと思います。施設を黒字化にし、それを長期間継続させていくためにはどのような運営が必要かを十分に練って、それを詳細に記載していくことが重要です。
5.まとめ
事業計画書は管理者となって初めてとりかかる仕事であると同時に、おそらく管理者として最初にあたる大きな壁ではないでしょうか?
しかし、管理者としての思いや形を考え具体化していく書類を作成するという意味では、作成していく段階でだんだんとやりがいのでてくる、面白い仕事ではないかと私は思います。
数字の事ばかりを考えて作成するのではなく、自分の想いを事業計画書に載せていき、その想いを具体化し実行すれば黒字化していけるのかどうか。考えながら作成してみてほしいと思います。
次回からは記載内容の詳細について踏み込んでいきたいと思います!