介護保険報酬改定について、過去20年の主な改定のポイントをご説明いたします。
1. 介護報酬について
- 介護報酬とは、事業者が利用者(要介護者又は要支援者) に介護サービスを提供した場合に、その対価として事業者に対して支払われる報酬のことをいいます。
- 介護報酬は、介護サービスの種類ごとに、サービス内容または要介護度、事業所・施設の所在地等に応じた平均的な費用を勘案して決定することとされています。
- 介護報酬の基準額は、介護保険法上、厚生労働大臣が審議会(介護給付費分科会)の意見を聴いて定めることとされています。
2. これまでの介護報酬改定ついて
介護報酬改定は、通常3年毎に行われておりますが、社会情勢や制度の状況により改定されます。
平成15年度
報酬改定率-2.3%(在宅0.1% 施設-4.0%)
背景:初の報酬改定
平成18年度
報酬改定率-2.4%(在宅-1.0%)
背景:介護予防・地域包括ケアの開始
平成21年度
報酬改定率+3.0%(在宅分1.7%、施設分1.3%)
背景:介護従事者の人材確保・処遇改善、医療との連携や認知症ケアの充実
平成24年度
介護報酬改定率 ⁺1.2%(在宅分1.0%、施設分0.2%)
背景:地域包括ケアシステムの基盤強化、 医療との連携や認知症ケアの充実
平成26年度
介護報酬改定率 +0.63%
背景:消費税引き上げにともなう改定
平成27年度
介護報酬改定率-2.27%(在宅分-1.42%、施設分-0.85%)
背景:中重度の要介護者や認知症高齢者への対応の更なる強化
平成29年度
介護報酬改定率:+1.14%(在宅分:0.72%、施設分:0.42%)
背景:通常3年ごとの報酬改定でしたが、介護人材の処遇改善について平成29年度より、キャリアアップの仕組みを構築し、月額平均1万円相当の処遇改善を実施するために臨時にて1.14%の介護報酬改定を行うものでした。
平成30年度
介護報酬改定率:+0.54%
背景:地域包括ケアシステムの推進、自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現
平成31年度
介護報酬改定率: +2.13%
内訳:処遇改善 1.67%
消費税対応 0.39%
補足給付 0.06%
※四捨五入の関係で、合計しても2.13%とはならない。(厚生労働省より)
背景:新しい経済政策パッケージに基づく介護人材の処遇改善
令和3年度
予定介護報酬改定率+0.70%
背景:新型コロナウィルスへの対応、地域包括ケアシステムの推進
ワムネットにて平成30年度報酬改定のポイント 介護報酬編が記載されています。
https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/appContents/kaigo_hosyu_explain.html
厚生労働省 介護報酬について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/housyu/index.html