介護職改善加算。介護職の待遇アップにつながると判ってはいるものの、複雑すぎて困っている事業者の方は多いのではないでしょうか。毎年書類を作成する時期にエクセルと格闘されている職員の方のご苦労もお察しします。
今日は、この介護職員処遇改善加算を、劇的に楽にするクラウドソフト「freee介護加算」のご紹介です。
ブラウザーから質問に答えていけば、自動で介護職員の処遇改善の計画から作ってくれます。そして報告書も全て自動で厚労省のフォーマットで作成してくれます。
この「freee介護加算」を作った会社は、もとはクラウド会計サービスを作っているfreee株式会社。中小企業やフリーランス向けのクラウド会計ソフト「freee」は、数々のクラウドソフトアワードの受賞歴があり高い評価を受けています。
この会社が介護事業向けに、人事労務分野で新規サービスを始めたのが「freee介護加算」です。
処遇改善加算の計画書作成から⼿当の分配計算、報告書作成まで一気通貫
このクラウドソフトで、処遇改善加算の計画書の作成~手当をどのように分配するのかの事業所独自のルールに基づいた計算~最後の報告書の作成までを全て一気通貫で、一元管理することができます。
エクセル管理では限界
それならエクセルでできると思われている方も多いと思いますが、実際にやってみるとこれは大変な負荷です。
まず処遇改善の要件を満たしたかどうかを確認し計画書を作らなくてはいけません。
介護サービスの種類によって加算率は異なるため、自分たちの事業所のサービスにあった加算率を適用しなくてはなりません。1か所で複数事業所を運営していて、一人の人が複数事業所を兼務なんて場合はどうするのでしょう。
これに地域区分を検討しなくてはならず、計算方法も四捨五入は切り捨てなど細かくルールが決まっています。
加えて処遇改善のための加算は一つだけではありません。看護体制、科学的介護加算(LIFE加算)と呼ばれるものまで、次々と新しい加算制度が出てきます。
出典:freee株式会社ホームページ
最後にこの報告書をエクエルで作成して提出するわけですが、これらを全てエクセルで対応しようとすると、エクセルは独自ルールのマクロと関数だらけになります。しかも、かなり介護保険制度に精通した人でないと、このエクセルを維持管理できません。
エクセルを作った人が何かの理由で退職・転職してしまったら、職員の待遇に影響が出る事態になりかねません。
処遇改善加算の現状
介護職員の処遇の格差是正の必要性ということもあり、処遇改善加算の申請割合は近年上がっています。令和2年の段階で90%の介護事業所が介護職員処遇改善加算を申請していますが、その7割が加算1の段階にとどまっています。
出典:厚労省資料 令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要
ただ、この加算1にしても、申請書類や報告書を作るのがあまりにも面倒なため申請代行業者に全てお任せする介護事業者も多いようです。
現にインターネットで少し検索すると介護処遇加算をお手伝いする行政書士のホームページがたくさん出てきます。
彼らは、次年度の計画書を作成し、過去の実績報告書の修正を代行してくれますが、無料でやってくれるわけではありません。
これを全てクラウドでクラウドのソフトで自動化しようというのが「freee介護加算」です。
freee介護加算の価値
クラウドソフト「freee介護加算」を使う本当の価値は、毎年の人事労務の事務処理に関する経費を大きく減らすことができるというコストメリット同時に、外注せずに自社で人事労務、会計を行うことによって中小会社でも経営改善つなげるというポイントにあります。
これはfreeeという会社が中小企業に対して会計ソフトで提供してきた価値に通ずるものです。
毎年継続的にかかる経費を削減
介護職員処遇改善の計画書も報告書も、職員を雇う限り毎年提出しなくてはなりません。
外部の行政書士や書類代行サービスに一度お願いしてしまうとずっとその代行サービスに頼らなくてはなりません。
書類作成のための間接経費として、本当に必要な費用なのでしょうか。
自社内でノウハウを蓄積
これらの事務処理を、自社職員の手で、ソフトウェアの力で簡単にやれるというのが「freee介護加算」です。
完全に丸投げできる行政書士サービスに比べて、確かに一部の職員はパソコンの前に座る時間を取らなくてはなりません。
しかし職員への支給頻度や分配のルール等は職員のやる気に直結したものです。
厚労省の制度変更がここまで多いと、制度へのキャッチアップというのも一つのノウハウと言えるわけで、自社で事務処理を実施することによって、ノウハウを蓄積するという経営上の意味は大きいと思います。
「freee介護加算」は全3種類の処遇改善加算に対応しており、他にどのような加算がとれそうか自動でチェックしてくれます。
初期導入のサポート
この手のソフトウェアの導入は、最初の設定は大変です。
どのシステムでも同じですが、新しくやり方を変えるには、最初は色々と設定をしなくてはなりません。
大変なところですが、この「freee介護加算」の場合は、初期設定代行もやってくれます。
これまで使っていたExcelはマクロや関数が多く、おそらく相当複雑になっているはずです。
これを、専門の方がヒアリングしながら、Excelの計算ロジックを一旦全て棚卸します。
そして、棚卸した計算ロジックを元に、毎月の処遇改善手当の計算に必要な情報を設定してくれます。
ご自分の手で、悩みながら独自ルールをシステムに落とし込む必要はありません
このような導入サポートがあるので、一度処遇改善加算をクラウドに移行してしまえば次年度から、計画書の作成や報告書書を作るためにかかる費用を大幅に抑えることができます。
「freee介護加算」と社労士に依頼した場合のコスト比較
ではここで「freee介護加算」と社労士に全ての書類作成を代行した場合のコストを実際に比較してみましょう。
ざっくりと計算を簡単にするために、初期の導入費用はここでは省きます。
また介護事業所が行っているサービスや計画書等も省き、いくつもある加算も介護職員処遇改善加算のみに絞り、処遇改善加算1を計画している介護事業所で処遇改善加算を申請すると想定します。
1年間でどれぐらいの費用がかかるのでしょうか。具体的に計算してみましょう。
小規模事業所のケース
「freee介護加算」の場合、10人規模の事業所の場合、月額3000円、年間3万6000円で計画書の作成や報告書を全て自動化することができます。
一方、社労士に全て依頼する場合を考えてみます。
社労士に助成金申請を依頼した場合の報酬相場は、獲得報酬の約10%から20%と言われています。着手金はある場合とない場合がありますがこの場合は仮にないと考えます。
仮に報酬が15%とした場合、処遇改善加算1が獲得できた場合月額37000円ですから、年間44万4000円になります。これの15%が報酬ですから、6万6600円が社労士の方の報酬になります。
ただ実際のところこの金額で受けてくださる社労士の方は少ないと思います。やはり20%で最低でも8~9万円というところではないでしょうか。
これぐらいの差しかないのであれば、社労士の方に全てお願いした方が楽、という考え方もあります。
中堅規模の事業所のケース
では仮に事業所が5~6か所あり、職員が30人規模の事業所になるとどうでしょうか。
freee介護加算の場合、月額9000円、年間10,8000円で済みます。
一方、社労士の方に全て依頼すると、月額37000円ですから、助成金獲得額は月間111万、年間1,332万円にも上ります。
獲得報酬の約15%ですから199万になります。
ですので、結論から言うと20~30人規模以上の事業所の方ほど導入メリットがあると思います。
まとめ
以上介護職員処遇改善加算を楽にするクラウドソフト「freee介護加算」についてご紹介してみました。
介護職員処遇改善加算は獲得したからと言って直接職員の給料が増えるというものではありません。事業所によって職員への分配ルールが異なるからです。
しかし職員へ分配する原資が増えることは確実で、真面目に働いている職員の方への加算というものをこれから増やしていってほしいと思います。
介護業界だけでなく、どの業界でも社員の給与に回せる人件費総額は決まっており、その中で職位や役割に応じた報酬体系を決めています。
処遇改善加算があっても、ここまで給与に反映されていないという職員の方も、今一度厚労省の制度や事業所の分配ルールについて関心をもってほしいと思います。
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