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Googleマップへの表示は大丈夫?介護事業における重要性と注意点

公開日:2024.07.31
最終更新日:2024.07.31

突然ですが、御社の事業所はGoogleマップで正確に位置が表示されていますか?

「ちゃんと地図上にピンが立っているから大丈夫」と思われている方、そのアカウントは誰が管理しているかご存知ですか?

表示されているからといって安心できないのがGoogleマップでの表示です。

  • Googleマップに自社の介護事業所が表示されていない。
  • Googleマップに表示されてるいが位置が間違っている。
  • 表示されているが管理者がわからない。

こういった介護事業所の方に、そもそもなぜGoogleマップにピンを表示させておく必要があるのか、正しく管理しておかないとどんなリスクがあるのかということについてご説明したいと思います。

日本では地図が正確であることが当たり前でした。

地図が間違っているなんてことを思う人はあまりいませんが、Googleマップはたまに間違っています。

しかし、表示させる大きな意味があります。

そのメリットと注意点を含めてご説明したいと思います。

Googleマップに表示させるには

Googleマップに表示させるには、Googleビジネスプロフィールに登録します。

Googleビジネスプロフィールは、Googleマップでピンを表示させたりGoogleの検索結果に表示される、自社の情報を管理できるツールです。

少し前までGoogleマイビジネスという名前でした。Googleビジネスプロフィールという名前は聞いたことがなくても、Googleマイビジネスという名前は知っているという方は多いと思います。

Googleアカウントさえ持っていれば、無料で誰でも使うことができます。

Googleマップはすでにインフラ

知らない場所に行く時、最近は誰でもスマホを持って地図を表示してから動きます。

2020年のニールセンの調査によると、Googleマップの日本国内の月間利用者数は4,717万人で、スマホ保有者の半数以上がGoogleマップを利用している計算になります。

当然、地図アプリではシェアトップで、Googleマップは99.4%、カーナビアプリとしても84.1%と1位でした。

このような数字を見るとGoogleマップは働く人の生活インフラと言っても過言ではありません。

店舗や会社にとっては、Googleマップにピンが表示されれば、どのエリアに事務所や店舗があるかが一目瞭然、道に迷わずに来店してくださる人が増え、地域での認知度の拡大にも効果絶大です。

Googleマップの重要性

では、店舗でビジネスをやっている場合ならともかく、介護事業でGoogleマップに事業所を表示させる必要があるのでしょうか。

大いにあります。

大きな理由は採用に必須の情報だからです。

この人手不足の時代、働く側は圧倒的な売り手市場です。

誰でも通勤に便利な場所で働きたいと思います。

仕事を探している方にとって重要な情報の一つは、自宅からその事業所まで何分で行けるかということです。

自宅から駅までの徒歩の時間、交通機関での時間、最寄り駅から歩いて何分かということを正確に知りたいわけです。

応募する方に対して通勤の正確な情報を提供するという意味で、Googleマップはかなり大事な情報源です。

ましてそのマップ上に表示がされていなければ、応募者から見ればその介護施設は存在しないに等しくなってしまいます。

採用を成功させたければまず、Googleマップに自社の介護事業所を正確な位置に表示させることがスタートだと思います。

Googleマップへの登録手順

Googleマップへの登録には、大雑把に言って3つのステップがあります。

登録の準備

まず、Googleのアカウントを準備します。

ウェブ上で登録申請

次に、こちらから登録の申請をします。基本は画面に表示される要求される情報を入力していくだけです。後から修正も可能です。

詳細な登録方法は、こちらのブログが詳しいです。

実在の確認

Google側は、申請された店舗やビジネスが実在するかを電話やはがきを使って確認します。これを「オーナーの確認」と言います。

電話の場合、登録した電話にGoogleから折り返し電話がかかってきます。その電話でパスコードが読み上げられるので、そのパスコードをGoogleビジネスプロフィールの管理画面に入力します。これで電話によるオーナーの確認が終わります。

はがきによるオーナーの確認は時間がかかります。現在でも2週間ほどかかることが多いです。登録を申請した住所に2週間以内にGoogleからはがきが送られてきます。このはがきにパスコードが記載されていますのでこれをGoogleビジネスプロフィールの画面に入力します。

このはがきが2週間以上経っても届かないこともあります。そのような場合は、遠慮せずGoogleに電話で連絡しましょう。

 

このように登録申請とオーナー確認という非常にシンプルな2ステップでGoogleのマップに登録を申請することができます。

しかし申請したからと言ってすぐに翌日からGoogleマップ上に自分たちの事業所が正しい位置に表示されるとは限りません。

また自分たちが何もしていないのにGoogleマップ上に表示があるということもあります

そのような場合、どうすればいいのでしょうか。

Googleマップの注意点

GoogleマップはGoogleというアメリカの会社の地図サービスです。

Googleが把握した緯度経度情報を元にして電子的に位置情報を算出して地図の上にピンを置いていきます。

ピンを表示してある内容を、権威を持った専門家や第三者がチェックをしていないということを、まず念頭においてください。

紙の時代の地図と比較するとわかりやすいです。紙の地図は全て出版社が作成し、印刷して販売していました。

企業の本社や店舗が間違っていたら出版社がクレームを受けることになりますから、販売されている地図上に記載のある企業や店舗の情報はまず信頼できるものでした。

あまりに正確な地図が手軽にスマホで見えているので、すっかり信用してしまいますが、これはGoogleという民間会社がやっている地図サービスなのです。

Googleマップは、ネット時代の共有資産というべきもので「みんなで作る地図」というようなものです。

Googleマップ上で自社の介護事業所の表示を確認

Googleマップで自社の介護事業所の住所を検索してみましょう。

地図に正しく表示されるでしょうか?

Googleマップに表示されない場合

「みんなで作るマップ」であれば登録申請し、オーナー確認が済んでいるのに、どうして自分達が登録した事業所が正しく表示されないというようなことが起きるのでしょうか。

これもGoogleマップが民間の地図サービスであることと関係があります。

Googleマップは、情報の質を保つために、実在がはっきり確認された店舗のみを掲載したいと考えています。では、Googleはその店舗や会社が実在するかどうかをどのように判断しているのでしょうか?

登録された内容とオーナー確認だけでなく、ユーザーからの口コミ投稿などの数が多いことも基準にしています。これにより、その店舗や会社が実在するということがより確実になります。

したがってオーナー確認が済んだという段階では、Googleマップに表示されないということはよくあります。

このような場合、常連の顧客や利用者の方に協力をお願いし、投稿に協力をお願いしましょう。

ただし、自然な範囲で投稿を依頼することが重要です。

意図的に仕組んだ投稿や口コミは、かえってGoogleからの評価が悪くなることがあります。

こういった地道な口コミが溜まっていった結果、ようやくGoogleマップに事業所が表示されたという例も多く聞きます。

自社の事業所が表示されている場合

すでに自分たちの店舗や事業所がGoogleマップに表示されていることもあります。

しかしここで安心してはいけません。

オーナーの確認が済んでいるか、ここで確認しておきましょう。

オーナーの確認

ビジネスプロフィールのオーナー確認が済んでいるかどうかは、検索結果の店舗情報内で確認できます。Google検索やGoogleマップで表示された店舗情報内に「ビジネスオーナーですか?」というリンクがあり、これをクリックすることで確認できます。

このビジネスプロフィールのオーナー確認が住んでいれば以下のような画像が出ます。

これは誰がこのビジネスプロフィールのオーナーなのかということをメールのアドレスで表示しています。

ここで表示されたメールアドレスが、自分達が管理しているメールアドレスであれば問題はありません。

しかし全く身に覚えがないメールアドレスであったり、他人のメールアドレスであったりした場合には、困ったことが起きます。

今後このビジネスプロフィールの住所や電話番号などが変更されてしまったり、全く赤の他人にアカウントを譲歩されたりしてしまった場合、表示されている内容のコントロールが効かなくなってしまうからです。

ビジネスプロフィールを正確に管理するためには、アカウントの権限を譲渡してもらう必要があります。

オーナー権限の譲渡手順については、こちらのページの中程に記載されています。

 

なぜこんなことが起きるのか

なぜ自社で登録した覚えのないような情報が公開されているのでしょうか。

ユーザーの利便性を向上するため、Googleはインターネット上に存在する情報をもとに最新情報をGoogleマップに反映しています。

また、Googleユーザーであれば誰でもスポット情報を登録できる機能まであります。この仕組みを「ローカルガイド」と言います。たとえばGmailやGoogleドライブを使っている人はGoogleユーザーなので、スポット情報を登録できます。

こうした地域のスポット情報や口コミは、Googleユーザーであれば誰でも登録できます。

要するにユーザーの口コミや一般のネットに公開されている情報をGoogleが拾って地図上に表示しているわけです。

ですからGoogleとしても「あなたはオーナーですか?」と言って確認を求めているわけですが、よほど注意してみない限りここをクリックしてみようとは思いません。

正しい情報が表示されていれば、このビジネスのオーナーであるということをGoogleに申請し自社のアカウントとして管理するようにしましょう。

繰り返しますが、Googleマップのオーナーの確認は、はがきまたは電話によるパスコードだけです。

なりすましやアカウントの乗っ取りということは実は簡単にできてしまいます。

登記簿や運転免許証を提出とか、煩雑な手順は踏まない代わりに、誰でも簡単にビジネスオーナーを名乗ることができてしまうわけです。

このようなリスクを理解した上で、オーナー確認をまず行い、そのアカウントのメールアドレスを悪用されないように十分注意しましょう。

まとめ

すでにインフラになっているGoogleマップの情報も、実は未確認の情報が含まれているということがお分かりいただけたと思います。

現にGoogleマップに書き込まれた口コミがアカウントのオーナーの知らない間に書き込まれていたということで、日本の歯科医が集団でGoogleに対して訴訟を起こしています。

Googleという会社は、口コミや集団によるナレッジの蓄積はプラスに働くという考え方に基づいてサービスを運営しています。

しかし必ずしもそうはなっていない状況もあります。

そして一般のGoogleマップを使っている人は、そこまで考えて地図を見ているわけではありません。

とはいえ、生活インフラになった地図上で、自社の事業所は正確に表示しておきたいです。

Googleマップが既に広く使われている状況では、情報が正確であることを保証するために、オーナー登録を行い、自社で自分達の事業所の情報を管理できるようにすることが大切です。