言うまでもなく、介護福祉事業で今一番の問題は、人手不足です。
介護事業で在宅系の事業をやっていると、送迎というのは欠かせないサービスです。ところが、この送迎出来るドライバーもまた不足しています。
今日は、ドライバー不足を解消するための魔法のツールをご紹介します。
運転に自信がない職員の方を、頼りになるドライバーに変身させる講習です。
しかも実習や実技で時間をかけるのではなく、動画の講習を見る、たったそれだけで運転技術が向上するという凄い講習です。
運転が上手くなるためには道路上で練習するしかないと、私たちは思い込んでいます。
しかし動画で見るように、運転経験が少ないアナウンサーの方が、動画を見ただけでかなり難度の高い車庫入れができるようになっています。
本当か嘘か信じられないとお思いでしょうが、実際にうまくなっておられる方がいますのでこの動画講習についてご説明したいと思います。
動画講習だけで運転技術が向上する?
なぜ動画を見るだけで運転が上手くなるのでしょうか。
この動画講習を開発した山下さんは言います。
「車というのは機械なので、正確に操作したことを実行します。接触事故が起きるのは理論的には2カ所しかない。見るべきところを見ていないから事故が起きるのであって、見るべきところをきちんと見れば事故は99%避けられるというのがこの動画講習の理論です」
そんな簡単な理屈なら、どうして教習所でその動画を教えてくれないんだ?と不思議に思います。
運転教習所で教えられるのは、ひたすら実技と注意喚起だけ。実際に上手くなるコツというのを教えてくれることはほとんどありません。
理由は簡単で、世間一般の運転免許センターは公安委員会の許可で運営しています。講習内容も公安委員会で定められており、勝手に内容の変更ができないからです。
極論を言えば、運転教習所はドライバー各個人の技術向上のためのスクールではないからです。
この動画講習を作った方は、山下さんと言います。
大学卒業後、自動車ディーラーでの経験を活かし、ディーラーと保険代理店を結ぶビジネスを開始しましたが、2年目に事業が行き詰まり、大きな借金を抱えることとなりました。
途方に暮れる中、車に関する無料メールマガジンを始めますが、その中の「車庫入れ」の記事が意外にも人気であることに気づきます。
多くの人が車庫入れに苦労していることを知り、好奇心が赴くまま、翌朝ショッピングセンターの駐車場に向かい、閉店するまで来店する車を全て観察。
運転する車によってハンドルを切るタイミング・回す量、そして回す速度が異なり、運転席の位置も外車であれば右もあれば左もあります。
元々機械が好きな山下さんは、車庫入れが上手になる方法をを考え続けました。
車の大きさや形状が変わっても絶対に変わらない車の原理原則とは何か?
そして企業資金を貯めるためにやっていたトラック運転経験から、車の基本的な動きに着目します。
タイヤは丸い円形のため、ハンドルを切って車を動かすと、全ての車は必ずコンパスで描いたように正確な円を描いて動いているが、乗用車などの小さい車を運転してもその原理原則に気付くことは殆どない。
そこを可視化させて理解してもらえれば運転する車の内輪差に応じたハンドル操作ができるようになるため、車種やハンドルの位置が変わってもこの問題が解決できると確信したそうです。
そうは言われても動画一つ見ただけで、運転技術がうまくなるなんて、そんな話があるわけないじゃないかと思われるかもしれません。が、実際に成果は出ています。
サンテレビで取材を受けた時の動画です。
動画を見ていただくと、運転に不慣れな本当にアナウンサーの方が、講習動画を見ただけで、狭い駐車場から、ぶつけずに車庫出しすることができるようになったことがご覧いただけます。
介護施設の方でなくとも、自宅の駐車場がとても狭いと悩んでいる方にとっては、是非受けてみたい講習なのではないでしょうか。
このように、本当に動画を見るだけで運転技術が向上するのだということは分かります。
実際にこの動画講習は介護施設で既に十数社の事業者で導入実績があります。
介護ドライバーをすぐに増やせる
この介護ドライバー講習はもちろん費用はかかります。しかし費用をかけても、メリットは十分があると思います。
最大のメリットは人手不足対策です。
1)頼れるドライバーは少ない
介護事業所の送迎サービスというのは、案外大変です。
送迎に行く先々で駐車場の大きさ、車庫の入れ方も全く違うからです。
かつ介護の送迎車というのは縦幅も大きな車が多いです。よく使われている送迎車はハイエースですが、あのサイズは通常の軽自動車とはかなり違います。
この大型の車で、いろんな条件が異なる駐車場の出し入れをしなければなりません。
もちろん、お迎えの人が多くてもゆっくりと安全に運転しなくてはなりません。
こう考えると実は介護の送迎ドライバーというのは、車に慣れた方でないと難しい仕事です。
翻って、事業所の職員で、車に慣れたドライバーの方が何人いるでしょうか?
限られた人数の中でギリギリ送迎を回しているというのが、どこの事業所でも共通した悩みではないでしょうか?
臨時で送迎ドライバーを雇おうにも、お金も時間もかかります。
ところが、講習動画で一つで、「サンデードライバー」が頼りになる介護送迎ドライバーに返信してくれるのです。
運転は苦手で自信がないけど、少しは運転できるという方は事業所内にいるものです。
そういった方々がドライバーになってくれればどれほどありがたいことでしょうか。
送迎のシフト表にも余裕が生まれてきます。
余裕を持って自分の事業所の職員だけで送迎業務を回すことができれば事故も防ぐことができ、職員の間にも余裕が生まれます。
講習を受けた職員の方からは運転が上手くなったということで感謝されるでしょう。
こういったスキルというのは一旦身につけてしまえばどこに行っても使えるものですから、職員の方にとっても嬉しいはずです。
ドライバー講習の費用は、新しく送迎ドライバーを雇用することを考えれば相当に安上がりです。
シフト表に余裕を持たせることができ、職場環境を良くするための投資と言えるでしょう。
2)毎日事故が起きてしまった時の損失
何かの拍子で事故が起きてしまった時の損害額というのを、想像されたことがおありでしょうか。
人手不足を反映してか、介護送迎車の事故というのは年に一度ぐらいはテレビで報道されています。
人身に至るような大事はまずないとしても、ちょっとした車のかすりや当ててしまって凹みが出来たというようなことは頻繁に起きています。
ではその車の故障の費用というのはどれぐらいでしょうか。
例えば、よくあることですが、介護送迎車のスライドドアをぶつけて凹ますという事故が起きたとします。凹みの程度によりますが、ドアの開閉ができなくなるぐらい傷をつけると、修理費用に30~40万かかると言われています。
しかし実際にはこれだけのお金では済みません。
その車を修理に出している間に送迎車が使えないわけですから、車をレンタルしなくてはなりません。介護事業のレンタカー代が1日仮に約2万円とすると、修理期間が20日間とした場合、レンタカー費用が約40万程度かかります。
このように、公にはされませんが、ちょっとした事故に伴う損害の費用は実はかなり大きいのです。
ある社会福祉協議会では、事故が大きく減り損害保険料だけで年間100万円以上コスト削減することができたところもあります。
まとめ
オンラインで完結する介護ドライバー講習についてご紹介してみました。
介護業界は講習や研修というのが非常に多い業界ですが、こういった実際の生活に役に立つ講習というのもあります。
また介護業界では、送迎という業務をほとんど欠かすことはできません。
事故を一回起こせばその介護事業所の評判は近隣でがた落ち、経営にも大きな影響が出ます。
特に山間部で見通しの悪い山道が多い、住宅地で細い道が多い地域を送迎しなくてはいけない、など事故が多発しているエリアで事業所を開設しておられるところには、予防的な意味でお役に立つ講習だと思います。
この動画講習は10分のショート動画で隙間時間にどこでも見ることができます。そういった意味で誰でも非常に学びやすくなっています。
今後地域で利用者と職員を確保していくという経営という観点からも、こういった動画講習を職員研修に組み入れてはいかがでしょうか。
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