公開日:2022.10.26
更新日:2023.05.19
2023年5月の段階で、ホームページで公式に発表されている情報を基にアップデートしました。詳細はこちら
厚生省が、居宅介護支援事業所と訪問介護事業所などのサービス提供事業所との間でケアプランのデータ連携を進めていることはご存知だと思います。
詳細はこちらのリンクにあります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/kaigo-ict.html
要するに、介護事業所における業務効率化を図るためには、紙による手渡しや、FAX等で連携されていた情報を、ICTを活用するデータ連携でなんとか省力化したいわけです。
しかし、異なるシステムとの間でデータをやりとりすることはできません。このため、厚労省は、データ連携のための標準フォーマットを定め、介護システム、介護ソフトの会社に対応を促しています。
では実態はどうなんでしょうか。
現実に自社で使っているソフトウェアは、そもそもケアプランのデータ連携の厚生労働省のフォーマットに対応しているのでしょうか?
ケアプランのデータ連携、これは放っておいてはならない問題だと思います。
というのは、現場の介護事務の負担を減らすということは、残業時間を減らすことに直結し、働きやすい現場づくりに貢献大だからです。
ご存知の通り、介護現場での人不足というのは本当に深刻です。どの職場で長く勤めたいかは、働く側に主導権が移っています。働きやすい現場を作ることは、人材定着に結び付く、優先順位の高い問題です。
さて、ケアプランのデータ連携は、令和5年2月から試運用が開始し、本格的な運用は令和5年4月からとなっています。
来年4月から本格運用スタートする大きな環境変化に、準備はできているでしょうか?
もしかしたら国保連の請求ソフトだけを使っており、介護ソフトは使わず、全てエクセル対応という事業所さんもおられるのかもしれません。
また介護ソフトにも買換えの時期があります。現在の介護ソフトに非常に使い勝手が悪く、次は別の介護ソフトにしようと思われてる方もおられるかもしれません。
- 介護ソフトを使って介護保険請求に関わっている職員及び管理者の方、
- これから介護ソフトを更改しようと思って検討されている介護事務のご担当者様
- 今は介護ソフトを使っていないが、利用を検討されている職員及び管理者の方
に向けてこの記事を書いています。
ケアプランのデータ連携と言っても、そもそも自社が使っている介護ソフトが厚生労働省の標準フォーマットに対応しているのかどうか、まずそこから確認しなくてはなりません。
今日ご紹介する内容は2022年HCR展で、会場で聞き取りヒアリングを行った上でまとめた情報です。今後変わる予定はありますが、今の段階で最新の情報だと思います。
この記事で、介護ソフトのメーカーが厚生労働省の標準フォーマットにどの程度対応しているのかということを、少しでも理解を深めていただき、これからの検討の材料にしていただければと思います。
2022年現在 主要な介護ソフトの厚生労働省の標準フォーマット対応状況
HCR展に出店しているような大手の介護ソフト会社では、予想外に厚生労働省の標準フォーマットへの対応が済んでいるところが多かったです。詳細は こちらの表をご覧ください。
介護ソフト名称 | 企業名 | 概要 |
SmileOne | 株式会社プラスワン | リリース済み |
トリケアトプス | 岡谷システム株式会社 | CSVエキスポート、CSVインポートにも対応済、リリース済 |
介舟ファミリー | 株式会社日本コンピュータコンサルタント | CSV吐出しには対応済、 4月のバージョンアップで新機能「ケアプラン連携(出力/取込)」をリリース 利用者補足の取込、居宅計画書1,2表の出力/取込は5月末リリースを予定 |
カイポケ | 株式会社エス・エム・エス | CSVエキスポート、CSVインポートにも対応済 リリース済み |
Blue Oceanシリーズ | 株式会社ブルーオーシャンシステム | 対応中、年度内目途にリリース予定 |
福祉見聞録 | 株式会社東経システム | CSVエキスポート、CSVインポートにも対応済、リリース済 |
ほのぼのNEXT | NDソフトウェア株式会社 | CSVエキスポート、CSVインポートにも対応済 リリース済み |
CARECARTE | 株式会社ケアコネクトジャパン | CSVエキスポート、CSVインポートにも対応済、リリース済 |
絆Core | 内田洋行 | CSVエキスポート、CSVインポートにも対応済、リリース済 |
上記のように大手の介護ソフト会社では、必要な CSV フォーマットを吐き出すということは、ほぼできる状況になっていました。
ただし、ここに述べた以外の 大手介護ソフトでも、HCR展に出展していなかった会社の介護ソフトや、小規模な介護ソフトウェアメーカーの状況は、把握できていない状態です。
日本には、「介護ソフト」「介護業務支援システム」と言われるソフトウェアを開発している会社数は、一説では50社以上、小さなものから大きなものまで含めると約100種類程度あると言われています。
展示会等でよく眼にする会社だけでも40社程はあります。
今後展示会などの機会を捉えてソフトウェア会社の状況をアップデートしていこうと思います。
繰り返しますが、ケアプランのデータ連携システムの試運転は来年2月から始まり、来年4月から本格稼働です。
つまりシステム化によって、ケアマネさんとの情報のやりとりが大幅に楽になる可能性があるのです。
まず、自社がどのような介護ソフトを使っているのか、情報をやり取りしている相手であるケアマネさんの居宅介護事業所ではどのようなソフトウェアが使われているか、ということを調べるところから始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回改めて調べてみて、大手の介護ソフト会社は、予想外に厚労省のフォーマットに非常に素早く素早く対応できているということがわかりました。
しかしHCR展でヒアリングしても感じたことですが、出店している介護ソフトメーカーさんの営業担当の方でさえも、こういった細かい状況については首をかしげることが多く、「専門の担当者でないとわからない」と言われることは心もとない感じでした。
まだ地域の市区町村の方では周知がいきわたっていないのではないでしょうか。
今後展示会などで最新の情報についてはアップデートしていきたいと思っております。
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