ここではBCP研修を、いつどこまでやるべきかについて、2024年8月時点での最新情報をまとめています。
業務継続計画(BCP)いつまでに、何を、どこまで?
1)業務継続計画(BCP)これまでの経緯
2021年4月 BCPの策定が、2021年度の介護報酬改定で全ての施設・事業所に義務付けられました。
2024年度 3年間の経過措置の期間中で、それも今年度で終了します。
富田林市ホームページより引用
2)厚労省からの新たな周知
2024年度からは、感染症や自然災害を想定したBCP(業務継続計画)を策定していない施設・事業所については、基本報酬が減算されます。ただし、厚労省は一定の経過措置も設ける方針です。
いつまでに、何を、どこまでやればよいのかの段取りが大切な訳ですが、ここで大変重要な情報があります。
実は通所系の介護事業所の場合は、訓練や研修は、やらなくても減算にはならないという厚労省からの周知がありました。
「令和6年度介護報酬改定に関する Q&A(Vol.1)(令和6年3月 15 日)」の送付について」P98
計画の周知、研修 、訓練及び定期的な業務継続計画の見直しの実施は、減算算定要件ではないと書いてあります。
あれだけ訓練とか研修が大事という話があったのですが、結局やらなくても減算にはならないということです。
令和7年3月31日までの間は、減算は適用されないということになるわけです。
ですので、まず通所系の介護事業所の場合は、業務継続計画を策定するところまで行っておけば、まずは減算対象にはしません、ということです。
ご自分の事業所の場合の減算の扱いはどうなるのかについては、厚労省老健局 業務継続に向けた取組の強化等(改定の方向性)P9から確認できます。
具体的な取り組みとして研修や訓練は義務ではなくなったものの、実施した方が望ましいに決まっています。
これは他の介護事業所の具体的な取り組みを参考にしていただいて、いつ、どこまで行うか、事前に決めて実施してゆくことが大事です。
3)全体の事業所の対応状況
2024年度でも、経過措置を認めたわけですが、では全国の事業所のどのくらいの事業所がBCP対応できているのかについてはこちらの資料です。
厚生労働省「業務継続に向けた取組の強化等(改定の方向性)」資料
回答者のうち、感染症BCPは、「策定完了」が29.3%、「策定中」または「未策定(未着手)」で凡そ70%を占めます。
自然災害BCPについても同様で「策定完了」が26.8%、「策定中」「未策定(未着手)」を足すと、約70%であった。
つまり、7割方の事業所はBCP策定が終わっていないということになります。
注目すべきは、下の図表です。
BCP「策定完了」事業所のうち、1カ月以内で終えることができたのは約40%、2~3ヶ月から6カ月以上を要した事業所は約60%です。
真面目に取り組むと最低2~3カ月、最悪半年はかかるということが判ります。
厚生労働省「業務継続に向けた取組の強化等(改定の方向性)」資料
BCP「策定完了」の後、具体的な取り組みとして何を行っているかというと、関係者への周知、研修が大半です。また、訓練を行っている事業所は35%にも上ります。一方全く何も行っていないという事業所はわずか5%程で、介護事業所の方も、課題は認識していると思われます。
BCP計画作成にあたって参考になる動画・ひな形
地方の自治体で、BCP作成のひな形を提供しています。事業所のある自治体でBCP作成のひな形が提供されているか、ご確認ください。
参考になる動画
厚労省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/douga_00002.html
東京都
一般社団法人中部産業連盟
2024年9月以降のセミナー
ライス総合保険
2024年10月16日 WEBセミナー
介護事業者向け:BCP見直しのポイント
一般社団法人 日本災害救助支援機構
有料ですが、元自衛官が行っているBCPオンラインセミナーです。
まとめ
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