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【2022年HCR最新調査】排泄検知ツール2種比較

公開日:2022.11.23
最終更新日:2022.11.23

今日は介護運営トークルーム運営人ウェブです。

HCR展、行きたくてもなかなか行けないですよね。今年も行きましたが、コロナ前ほどの人混みはありませんでした。

さて、夜間の定期的にご利用者様の状況を確認することはどこの施設でも行っているかと思います。が、やはり「空振り率」を減らしたいというところが皆さん本音だと思います。

今回は、今年のHCR展で紹介されていた商品のうち、介護職員の負担軽減に役立ちそうな排泄検知の仕組みを2つご紹介します。

ここでは二つのツールをご紹介しますが、どちらも見回り等の夜間業務の空振り率を減らすことができそうです。

メリットデメリットも含めて今の段階では最新の情報だと思います。

 

排泄検知ツールの現在

現在の排泄検知ツールは、まだ「発展途上」の製品だと思います。
検知のタイミングでは、

  • 排尿や排便後に検知をするタイプ
  • 便や尿が漏れる前に予測をするタイプ

の2つがあります。

 

利用できる個所では、

  • 在宅型
  • 施設型

ですが、現在のところは施設型が主流です。

 

検知の端末では

  • 検知専用ツール
  • 使い捨てタイプ

のものもあります。

 

こちらで掲載している二つの製品は、今年HCR展に出展していたものだけです。最近は、NEC など大手メーカーもこのような製品をシステムとして発表しています。

 

Aiserv™排泄検知システム 新東工業株式会社

 

おむつ内側に排泄センサが被介護者の排泄(便・おなら)を感知し、その情報を無線通信で表示端末へリアルタイムに送信することによって、被介護者の排泄情報を介護職員にお伝えします。

非接触のニオイセンサーを活用しています。ですので実際に排便が起きてからのケアを早く、タイミングよくできるというところが製品のメリットです。ニオイセンサーなので、ご利用者様の便の特徴にあわせてにおい感度調整をおこない、最適な数値調整ができるのは面白いところです。

 

デメリットとしては、 この排泄検知の端末が電池の連続稼働が約一週間のみということで、電池取り換えが必要です。またこの仕組みを使うためには、クラウドでスマホに通知するため施設内にインターネットの設備が必要です。

Aiserv™排泄検知システム パンフレットより抜粋

メーカーのURL https://www.sinto.co.jp/aiserv/haisetsu.html

しかし、介護職員の負担軽減につながる製品です。特に夜間など、定期的な確認ということを行う必要がなくなり、いわゆる「空振り」が減ります。またご利用者様の方も排泄後のケアを迅速に受けられるようになるため、皮膚トラブルの軽減につながります。
クラウドタイプなので将来は、排泄ケアの記録がケアプランに活用されると期待できます。

 

 

排泄予測デバイス Dfree トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社

 

妊婦さんのお腹の中を見る超音波技術(エコー)を利用したDFreeは、膀胱内の尿のたまり具合を捉え、計測した膀胱のデータをリアルタイムで解析し、DFree専用アプリやパソコン上に解析した結果を表示します。

排泄予測デバイス Dfree パンフレットより抜粋

 

排尿が出る前に膀胱の状態を見て予測できるというところがこの製品の特長です。
また排尿記録を全てクラウドとしてデータ活用ができるため、その人の生活パターンというものが可視化されて、予測がしやすくなるというメリットがあります。

排泄予測デバイス Dfree パンフレットより抜粋

排泄ケア記録が電子化できるというのもこのサービスの特徴です。 記録はタブレットなどで簡単にボタン入力できるようになっているので、文字を書く必要はありません。また記録が自動集計され、後にご利用者様のケアの見直しなどにも有効活用ができます。

 

 

こちらは医療介護施設で既に導入実績があります。個人向け製品はアマゾンで購入できます。

 

また2022年4月から福祉用具認定を受け、在宅介護などの用途で介護保険適用の申請ができるようになりました。

 

デメリットとしては、 この排泄検知の端末が電池の連続稼働が40時間のみというところです。また排尿の予測というのはできますが、 排便の予測というのは現在開発中です。 またエコー診断と同様に専用ジェルと端末を正しく設定するためのシートというものが必要となります。
この仕組みを使うためには、クラウドでスマホに通知するため施設内にWifiの設備が必要になります。

 

しかし、施設では早い段階で自力でトイレに誘導することができるようになるため、おむつという消耗品の費用削減効果があります。また本人の排便のリズムというものを把握することができ、ケアのタイミングを変えるなどして、立ち上がり時の失禁に成功という生活の質(QOL)が上げ、ご利用者様の尊厳を守る事例も報告されています。介助者の負担軽減にもつながります。

 

メーカーURL DFreeHomeCare https://dfree.biz/homecare/
DFreeProfessional https://dfree.biz/professional/

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回二つの製品だけを調べてみましたが、まだこのジャンルは決定的に便利な製品が出てきていないという印象を持ちました。

 

排便という問題は、万人が活きる限りつきまといますが、あまり大きな声で言う人は少ないです。ですので、想像している以上に困ってる方は多いのだ思います。
今後も製品ウォッチをしていきたいと思います。

 

今後展示会などで最新の情報についてはアップデートしていきたいと思っております。
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