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新人管理者の基礎知識 介護サービス  居宅介護支援事業について

公開日:2021.11.10
最終更新日:2021.11.10

居宅介護支援のサービス内容  現状と課題 開設の条件についてご説明いたします。

居宅介護支援とは?

居宅介護支援(ケアマネジメント)とは

利用者の状況に応じた介護サービスを利用するため、ケアマネジャーが、ケアプランを作成します。また、そのケアプランに基づいて適切なサービスが提供されるよう、事業者や関係機関との連絡・調整を行います。

サービス内容について
居宅サービス、施設サービスと二つのサービス内容に分かれます

居宅サービス

・業務内容
要介護者や要支援者からの相談を受け、ケアプランを作成するとともに、居宅サービス事業者等との連絡調整等や、入所を要する場合の介護保険施設への紹介等を行う。
・配置される事業所
居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)、介護予防支援事業所(地域包括支援センター)
・ケアプランの位置づけ
要介護者等はケアプラン作成の依頼を市町村にあらかじめ届け出た上で、ケアマネジャーによって作成されたケアプランに基づき、居宅サービス等の提供を受ける場合、1割の自己負担を払うことでサービスを受けることが可能(現物給付化)。
※ 利用者自身が作成したケアプラン(いわゆるセルフケアプラン)をあらかじめ市町村に届け出た場合も、現物給付化される。
・ケアプラン作成に当たっての利用者負担 : 利用者負担はない。
* 要支援者は、地域包括支援センター等が作成するケアプランに基づいてサービス提供を受けなければ、保険給付がなされない。ただし、要支援者も、いわゆるセルフケアプランをあらかじめ市町村に届け出た上で、当該市町村が適当と認めたときは、保険給付がなされる。

施設サービス

・業務内容
施設等のサービスを利用している利用者が自立した日常生活を営むことができるように支援するため、解決すべき課題の把握等を行った上で、施設サービス計画等を作成する。
*施設等では、施設サービス計画等に基づき、サービスを実施する。
・ケアマネジャーの配置が義務付けられている施設等
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム等)、認知症対応型共同生活介護、小規模多機能型居宅介護、複合型サービス

介護保険サービス利用者のほとんどが居宅介護支援(ケアプラン作成)を受けています。
またケアプラン作成には利用者負担がありません。しかし、近年ではケアプランの有料化が求められてきています。社会保障審議会・介護保険部会ではこの有料化について、様々な議論が繰り広げられている状況です。早ければ次期(令和3年度)介護保険改正に導入の予定ですが、現場からは※有料化には慎重論、定額制(月500円)の負担案などがあがり有料化については現在(令和3年11月)も決まっておりません。

居宅介護支援の現状

居宅介護支援(ケアマネジメント)はすべての介護サービスの中核をになう職種になります。そのため、数多くの開業を促すため、介護支援専門員(ケアマネジャー)のみで開業が可能です。
令和10年度(予定)より管理者の要件に主任ケアマネが必要になりますので開業についてはやや規制される形です
事業所数については平成28年度で44,175か所。利用者は359.2万人。費用額は4,860億円となっています。年々増加傾向です。

居宅介護支援の課題

しかし、居宅介護支援については介護保険実施以来もっとも大きい転換期を迎えようとしています。
前記に記しましたケアプランの※有料化です。
有料化により、他の介護サービスのような利用者獲得、事業所の宣伝など営業活動、事業所の個性化が求められてきます。行政化している居宅介護支援の市場が変わってきます。
他の介護サービスとの併設運営にて利用前から利用までのワンストップ化サービスの実施を始め、混合介護、保険外サービスの導入も視野に入れることで、介護保険サービス利用者のみならず、その他の高齢者を取りこむことで新たな市場が生まれ長期にわたる事業運営につながると思います。

居宅介護支援を開業するには?

居宅介護支援の事業者指定を受けるためには、以下の人員基準を満たす必要があります。
人員基準
管理者 常勤の介護支援専門員を配置
※令和10年度より主任介護支援専門員の資格が必要です。
介護支援専門員 利用者35人に対し1人を配置

※主任介護支援専門員
主任ケアマネージャー(主任介護支援専門員)は、平成18年の介護保険改正と同時に生まれた資格です。ケアマネージャー有資格者の中から、所定の研修を受けた者に対して与えられます。研修や資格の管理などは、ケアマネージャー資格と同様に、各都道府県が行っています。

居宅介護支援の事業者指定を受けるためには、以下の設備基準を満たす必要があります。

○事務室
仕切られた専用区画であること。広さの規定なし。

○相談室
仕切られた専用区画であること。広さの規定なし。
相談者のプライバシーが守られるよう配慮が必要。

○その他
電話ファックス、一般事の務機器、鍵付き金庫、消毒用品。