毎月末、休み希望の調整や夜勤の人員確保に追われ、気づけば遅くまで残業—そんな経験はありませんか。
厚生労働省の報告でも、柔軟な勤務体系ほどシフト調整が複雑化し、手作業の積み重ねが特定の担当者への属人化を招くと指摘されています。
これは担当者個人の力不足という問題ではなく、人手不足という業界共通の課題が根底にあります。
本記事では、勤務シフトを自動化するにあたって、Excelの工夫からアプリ、生成AIまで、どのような選択肢があるのかについて解説します。
目次
介護施設のシフト作成が大変な理由
交代制勤務の複雑さ
「早番・遅番・日勤・夜勤・オンコール」—介護施設のシフトは、飲食店や小売業のシフトとは比較にならないほど組み合わせが複雑です。
特別養護老人ホームやグループホーム、小規模多機能型居宅介護など、施設形態や運用方針によって2交替制や3交替制といった基本パターンからして異なります。
この複雑さは、単なる「勤務パターンが多い」という話にとどまりません。夜間帯は日中よりも配置できる人数が限られる一方、利用者の安全を守るための最低人員基準を満たす必要があります。
1つの枠を動かすと連鎖的に他の枠の組み直しが必要になります。まさにパズルのピースを一つ動かすと全体が崩れるような状態です。
実際、日本医労連の「介護施設夜勤実態調査」によると、2交替夜勤を導入する施設は全体の88.4%に上り、そのうちの8割強が勤務時間が16時間を超えるという結果が出ています。グループホームなど小規模な施設では制度上の人員基準に基づき1人体制(ワンオペ)で回すケースも多く、万が一夜勤者が急な体調不良に見舞われた際、代替要員をすぐに確保できるかは現場の綱渡り的な運用に依存しているケースが多いと想像できます。
この構造そのものが、シフト作成担当者に「絶対に穴を空けられない」という強いプレッシャーを与え、作業時間を膨らませる根本原因になっています。
人員配置基準・加算要件という、制約条件
シフトを作成する際、単に人数を揃えるだけでは不十分です。介護報酬の加算を維持するためには、資格を持つ職員の配置割合や夜勤帯の最低人員など、国が定める各種基準を満たし続ける必要があります。
この制約条件が、シフト作成を一段と難しくしています。たとえば、機能訓練指導員や生活相談員など特定資格を持つ職員の勤務時間が偏ってしまうと、翌月の加算要件を満たせなくなるおそれがあるため、単純な希望シフトの調整だけでなく、資格者の配置バランスまで同時に計算しなければなりません。
厚生労働省が公表した介護現場の課題事例でも、シフトの組み方や勤務時間は施設ごとに異なり、職員の配置基準や加算要件の確認も必要となるため、シフト作成業務が特定の担当者に偏る属人化のリスクが指摘されています。
複雑な制度基準を熟知した一部のベテラン担当者でなければシフトを組めない構造が、多くの現場で課題となっています。その結果、担当者の異動や退職に伴いノウハウの引き継ぎが滞り、業務が停滞する事態も散見されます。
職員の希望と現場の事情、そして人間関係
制度上の条件に加え、人と人との間で生じる個別の調整もシフト作成を難しくする要因です。
育児中の職員は特定の曜日に休みを希望し、家族の介護を抱える職員は急な休みが必要になることもあります。こうした個別事情をくみ取ろうとすればするほど、シフトの自由度は上がりますが、その分だけ調整の手間も増えていきます。
また、見過ごせないのが職員同士の人間関係です。「あの人ばかり希望休が通る」「土日祝日の勤務に偏りがある」といった不満は、シフト表という目に見える形で表面化しやすく、職場の雰囲気やチームワークに影響を及ぼします。作成者が配慮のつもりで行った調整が、結果として他の職員の不公平感を招くケースも存在します。
たとえば、特定のベテラン職員に夜勤が偏りがちになり、本人は責任感から不満を言わずに引き受け続けた結果、不満の蓄積から予期せぬ突然の離職へつながるリスクも挙げられます。
シフト作成者には、単に勤務枠を埋めるだけでなく、職員間の負担感や人間関係のバランスまで考慮した調整が求められています。
このように、介護施設のシフト作成は「複雑な勤務体系」「制度上の制約」「人間関係への配慮」という三つの条件が重なる負荷の高い業務です。だからこそ、テクノロジーを活用した作成手法、ツールの活用による業務平準化が模索されています。
勤務シフトを自動化する4つの方法
このような複雑な勤務シフト作成を自動化するには、主に4つの方法があります。
①Excelの関数・マクロで自動化する
「新しいシステムを導入する予算も時間もない」施設にとって、最初の一歩になりやすいのがExcelです。使い慣れたツールですから、初期コストを抑えて抵抗感なく着手できます。
Excelが選ばれやすい理由は、多くの施設で既にシフト表をExcelで管理しており、追加コストがかからず、担当者の手元で完結できるからです。関数やマクロを組み込むことで、手作業だった部分の一部を自動化できます。
具体的には、次のような工夫が現場で使われています。
- IF関数・COUNTIF関数で人員不足を自動チェック
早番の配置人数が規定未満の場合にセルを強調表示(条件付き書式)し、確認漏れを防止 - VLOOKUP関数で職員情報を自動反映
職員名を入力することで雇用形態や保有資格、希望勤務日数などの情報を自動表示 - マクロで月間シフトの雛形を自動生成
前月の勤務パターンをベースに、曜日や祝日を反映した月間シフトの雛形を生成
ただし、Excelでの自動化には限界もあります。高度な関数やマクロの作成・修復ができる職員が限られる場合、シフト作成手順が特定の担当者に依存し、業務の属人化を招く要因となります。これは前章で触れた属人化の問題を、形を変えて温存してしまうことにもつながります。
また、職員情報の維持管理も課題となります。入社・退職や資格取得に伴う元データの更新を手作業で行う必要があります。関数で自動反映させる仕組みを作っても、元データが古いままでは誤った配置につながるリスクは否定できません。
さらに、希望休の重複や複数職員の配置基準を同時に満たす最適な組み合わせを見つけるのは関数だけでは限界があり、最終的には手作業での調整が必要です。
実際、シフト作成サービスを提供する企業の調査では、シフト表作成に月10時間以上を費やす担当者は全体の15.3%、大規模現場の場合、39.5%が月20時間超を費やしているという結果が出ています。この工数の多くは、Excelでの手作業による希望休の調整や、加算要件の確認・修正に費やされています。
このように、Excelは低コストで着手できる選択肢である一方、業務負担の根本的な解消には至らない点があることは認識しておく必要があります。
②勤務シフト作成アプリ・ソフトを使う
シフト作成に特化した専用アプリやソフトを使えば、複雑な関数やマクロを自作する必要がなく、画面上で条件を設定するだけで自動的にシフトの叩き台を作ることができます。
専用ソフトがExcelでの管理と異なる点は、単なるシフト枠の埋め合わせにとどまらず、介護現場特有の複雑な勤務条件をシステムにあらかじめ設定し、最適化を図れる点です。
たとえば、入浴介助が集中する曜日の出勤人数を増やしたり、夜勤帯に必ず男性職員を1人配置するといった、施設独自のルールを条件として登録可能です。また、職員がスマートフォン等から希望休を申請できる機能があれば、紙の申請用紙の回収や手作業での転記といった工程自体を削減できます。
実際に導入効果が示されている事例もあります。勤務シフト導入施設において、シフト表作成にかかる時間が月37.5時間から月2.5時間へと約93%削減された実績が報告されています。さらに、従来は数日かかっていた加算条件の確認や監査用資料の作成作業が約15分に短縮されたほか、フロアごとに分散していた勤務ルールの標準化も実現した事例があります。
一方で、専用ツールの運用には以下のような留意点も存在します。
- 初期設定に要する工数
職員ごとの雇用形態、保有資格、勤務可能時間、さらに人員配置基準や加算要件といった施設固有のルールをシステムに登録する作業が必要です。初期のルール定義が曖昧な場合、自動作成後の手直しが多くなり十分な効果を得られにくくなります。 - 継続的なデータメンテナンス
入退職や資格取得、勤務条件の変更が発生するたびにマスター情報を更新し続ける必要があります。「データを正しく維持する手間」は形を変えて残り続ける点に留意が必要です。 - 費用構造の比較検証
利用料金はサービスにより異なります。利用者数によって料金が変動するサービスでは月額数百円〜1,000円程度/1名と幅がある一方、月額固定費用のサービスもあります。初期費用が必要なケースがあるほか、料金が非公開で個別見積もりが必要なサービスも存在します。
専用アプリやソフトは、初期設定や情報の維持管理という一定の運用工数を伴うものの、Excelでは対応が難しい介護特有の条件整理をシステム化し、作成時間の削減やルールの標準化を図る上で有効な選択肢です。
しかし、専用アプリを使っても、事業所の人数や独自の条件設定によっては、理想とする勤務シフトを作成できないこともあります。導入前には必ず無料でのお試しサービスを利用して、自分達の事業所特有の条件でどこまでの勤務シフトが組めるかを確認することが必要です。
③AIやChatGPTで勤務シフトを自動作成する
「専用システムを導入する予算は確保できないが、効率化を試したい」という施設において、ChatGPTなどの生成AIを活用して、勤務シフト作成を検討することもできます。
この手法が注目される理由は、専用ソフトのような契約手続や初期構築を必要とせず、テキストで条件を指定するだけでシフトの初期案を出力できる手軽さにあります。
「早番3名、遅番2名、夜勤1名を必須とし、職員Aは水曜休み」といった要件を入力することで、AIによる勤務表の試案作成ができます。
なお、介護施設が生成AIのみでシフト作成を完結させた公的な導入事例は現時点で限定的です。そのため、活用にあたっては以下のメリット・デメリットを把握しておく必要があります。
想定されるメリット
- 低コストでの導入検証
無料または低額のサービスで開始できるため、専用ツール導入前の比較・検証として活用しやすい。 - 条件記述の柔軟性
「夜勤明翌日は休日」「特定の資格者を必ず1名配置」などの独自ルールを自然文章で入力可能。 - 対話形式による再調整
条件の追加や修正を対話形式で指示できる。
想定されるデメリット・リスク
- 算定精度と確認の手間
複雑な制約条件の抜け漏れや不正確な出力を起こすリスクがあり、人員配置基準や加算要件の充足に関する目視での最終確認が不可欠。 - 個人情報保護・セキュリティリスク
氏名や個人的な事情等の個人データをそのまま入力した場合、データ学習による情報漏洩リスクが生じる。データの匿名化や学習利用を無効化する設定(オプトアウト)などの運用ルールが必須。 - プロンプト作成の負担と属人化
専用システムと異なり条件が保存・固定化されないため、指示文(プロンプト)の作成ノウハウが特定の担当者に依存しやすい。
このように、生成AIはコストをかけずに試せる可能性を秘めている一方、正確性や情報管理の面では専用ソフトを使うほどの安心感はまだありません。運用においては、人による最終確認を前提とした「試案作成の補助ツール」として位置付けることが現実的です。
④シフトの希望回収・共有・確認を自動化
ここまで紹介した手法は、主に「シフトを組む」段階の効率化です。しかし実際の現場では、作成前の「希望休の回収」や、完成後の「周知・急な変更連絡」といった共有・調整プロセスにも多くの負荷が発生しています。
紙の申請書を回収・転記したり、確定後に掲示物を貼り出したりメールを送ったりする方法には課題が存在します。休日の職員は掲示物を即座に確認できず、急な欠員が発生した際には一人ひとりに電話をかけて交代を依頼する必要があります。
夜勤明けでようやく休める職員に、次のシフトの連絡のために電話で連絡を取らざるを得ないなど、伝達作業自体が日々の業務負担となっています。
この回収・共有・確認の負担を軽くするには、主に次のような方法があります。
- シフト管理アプリによる希望回収と確定通知
専用ツールを活用することで、職員はスマートフォンから希望休を申請できます。紙からの転記作業が不要になるだけでなく、シフト確定時には対象職員へ自動通知が送信され、認識の食い違いや確認漏れを防止できます。 - ビジネスチャットを活用した一斉連絡・調整
LINE WORKS等のビジネスチャットを導入し、グループ内でシフト共有や急な欠員時のヘルプ要請を一括で行う手法も定着しています。実際に、ビジネスチャットの活用により職員・関係先との電話連絡が3分の1に削減された実績が報告されています。(参考資料4) - クラウドカレンダーによるリアルタイム共有
施設全体の勤務状況をクラウド上で一元管理し、勤務可否や配置状況を関係者がリアルタイムで把握できる環境を整えます。変更時も個別の電話連絡を減らすことが可能です。
共有や伝達の効率化は、シフト作成そのものの工数を減らすわけではありません。しかし、シフト勤務に関わる「事前に各人希望を集め、確定後に正確かつ迅速に届ける」という一連のコミュニケーションプロセスのコストを大きく削減できます。
「どのように組むか」と並行して「どのように回収し、届けるか」を設計することは、シフト管理全体の負担軽減につながります。
無料で使える勤務シフトはある?自動作成アプリ・ソフトの選び方
介護施設・医療機関向けのシフト作成で「完全無料」を実現しているサービスとして、カイテク株式会社が提供する「カイテクシフト」が挙げられます。
今後オプション機能等が有料になる可能性は否定できませんが、2026年現在では全ての機能が無料で利用できます。
通常のシフト管理ツール(SaaS)は月額の利用料で収益を上げるモデルですが、同社はスポットワーク(介護特化の単発求人・有料職業紹介)事業を主軸として展開しているため、システム単体での月額費用をとらず「完全無料」で勤務シフトサービスの提供が可能になっています。
主要な勤怠管理システムとのCSV連携にも対応しているためデータ移行のハードルは低いものの、すべての法人がこの完全無料ツールだけでシフト管理を完結できるわけではありません。導入前に以下のようなポイントは確認すべきでしょう。
- 自社特有の「複雑な勤務実態」への適応限界:事業所をまたぐ応援勤務や、特定の資格・スキルの細かな組み合わせなど、現場固有の複雑なローカルルールに対応しているか。
- 「スポットワーク活用」に対する経営方針の違い:自社職員での自走を基本方針とし、外部人材の活用を前提とするアプリを使えるか。
- 法人全体での統一的な労務・人事システムとの統合:多事業所を展開する大法人において、本部の一体型労務管理システムと直接連携(API連携等)できるような高度な機能があるか。
このように、完全無料ツールは非常に強力な選択肢である一方、自社の勤務実態や経営方針によっては、あえてコストを払って有料SaaSを導入したり、他の手法を選んだりすることが合理的な判断となります。
「完全無料ツール」を使わない場合の選択肢と比較
| 手法・選択肢 | 費用感 | シフト作成・管理機能 | 主な適用シーン・選定理由 | 留意点・課題 |
|---|---|---|---|---|
| 完全無料の事業者向けアプリ (カイテクシフト等) |
完全無料 | AI自動作成、希望集約、CSV連携、行政提出書類の自動生成 | コストをかけずにDX化を図り、不足人員の補充も円滑にしたい法人 | ・導入時の初期設定作業を要する ・自社固有の特殊な勤務ルールへの対応や、スポットワーク不使用方針との兼ね合いを確認する必要がある |
| 有料の専用アプリ・SaaSシステム | 月額数百円/1名〜数千円(または初期費用別途) | ルールに合わせた高度なカスタマイズ・自動作成 | 複雑な配置基準・ローカルルールを抱える施設や、法人統括管理を行う場合 | ・導入時の初期設定作業を要する ・月額コストは導入する施設の規模により大きく異なる ・無料プランがあるアプリもあるが、期間限定であったり、人数上限(例:10名以下)や機能制限が存在する ・シフト希望回収や情報共有機能の有無はアプリによって異なる |
| Excel(自作マクロ等) | 実質無料 | 関数やマクロによる一部自動作成・条件チェック | 外部ツールを追加導入せず、現状のシート運用を極力維持したい場合 | ・追加費用は不要 ・作成ノウハウが特定の担当者に属人化しやすい ・シフト希望回収や情報共有までの機能はない |
| 生成AI(ChatGPT等) | 無料〜低コスト | 条件入力によるシフト勤務案の自動作成 | 専用ツール未導入環境での補助的な作成サポート | ・毎回条件を入力する手間に加え、正確性の目視確認が必須 ・シフト希望回収や情報共有までの機能はない |
まずは完全無料のツールを試し、自社の細かいルールや運用に合わなければ、費用や使い勝手に合わせて有料システムやExcelなどを選ぶのもおすすめです。
導入時に注意すべき点
自動化手法はシフト作成の負担を軽減する有効な手段ですが、導入によって管理者の確認責任が免除されるわけではありません。特に「個人情報の管理」と「労働基準法・法令の遵守」については、自動作成後も人による最終チェックが不可欠です。
1. 個人情報・機微情報(要配慮個人情報)の管理
シフト作成の過程では、職員の氏名だけでなく、育児・介護の事情や持病・体調への配慮事項といった機微な情報を扱う機会が多く発生します。
個人情報保護法において、働く職員の健康状態や病歴等は「要配慮個人情報」に指定されており、通常の個人情報よりも厳格な管理が求められます。介護現場では「持病のため夜勤不可」「通院のため特定曜日指定」等の要望を受けることがありますが、これらはまさに慎重な扱いを要する情報です。
有料の勤務シフトアプリがクラウド型であった場合、個人情報の預け先として十分な安全管理措置をとっているかどうかを確認することは重要です。
生成AIを活用する場合、学習データとして利用されるのを防ぐための設定は必須です。また、氏名の匿名化や具体的病名の非記載など、入力データの取り扱いルールをあらかじめ策定しておきましょう。
2. 労働基準法・法令遵守の最終確認
自動作成されたシフト案が法令に適合しているかの確認も必須となります。
介護現場で多く採用されている「1か月単位の変形労働時間制」は、対象期間内の週平均労働時間を法定労働時間(原則40時間)以内に収める制度です。しかし、月ごとの総労働時間の枠内収容だけでなく、深夜労働の回数や連続勤務日数など、適法性の判断には多角的な確認を要します。
特に留意すべきは「シフト確定後の変更」に関する法的制限です。変形労働時間制のもとでは、一度確定した勤務シフトを使用者(施設)側の都合で一方的に変更することは原則認められていません。
急な欠員が出てシフトを組み直す場面は介護現場では日常的に起こり得ますが、自動化ツールが出した「修正案」をそのまま確定させる前に、その変更が法令上問題のない範囲かどうかを人が判断する必要があります。
自動化ツールは複雑な人員配置や加算計算の補助には有効ですが、個別契約や労基法の解釈までを担保するものではありません。「作成された案はたたき台であり、適法性の判断は管理者が行う」という前提のもと運用することが、労務トラブルを防止する上で重要です。
まとめ
ここまで、Excelでの工夫から専用アプリ、生成AI、共有の自動化まで、介護施設で使える選択肢を見てきました。
結論として、シフト管理は「組む」「共有する」「法令を確認する」という複数の工程からできており、すべてを一度に完璧にする必要はありません。工程を分解し、できるところから一つずつ着手するのが現実的です。
たとえば、専用ソフトの移行がすぐには難しく、Excelを継続する場合であっても、共有工程のみビジネスチャットや通知ツールへ移行することで、連絡や伝達にかかる負担を軽減できます。
生成AIを活用したシフト勤務試案作成は、専用ソフトのような初期費用や契約が不要で、条件の伝え方次第で柔軟に対応できるため、今後さらに現実的な選択肢になっていくと見られます。しかし、現時点では正確性の確認など人の手を要する部分も多いため、最終確認が前提となる補助手段です。
そして、いずれの手法を採用する場合であっても、テクノロジーは負担を減らす道具であり、シフトへの最終責任は変わらず管理者にあります。職員の個人情報への配慮と、労働基準法など法令順守の最終確認は、引き続き人が担うべき役割です。
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[参考資料]
- 1. 交替夜勤を実施する介護施設の8割超が16時間以上の長時間勤務を実施/日本医労連調査
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20250305b.html - 2. 【400名調査】シフト作成、毎月何時間かけてる?大規模現場の4割が「月20時間超」の衝撃
https://shiftta.com/blog/shift-creation-time-survey/ - 3. 介護施設向けAI搭載シフト自動作成サービス「miramos」を発売
https://ascii.jp/elem/000/004/237/4237680/ - 4. 介護サービス利用者やご家族・他事業所とLINE WORKSでつながり電話の数は3分の1に減少!
https://line-works.com/line-works/cases/suzukinaika-80caremanager/
